総務省は31日、住民基本台帳に基づく全国の人口(08年3月31日現在)を発表した。三大都市圏(東京・名古屋・関西圏)合計の人口は過去最多となり、2年連続で人口の過半数を占めた。特に東京の人口増加は68年の調査開始後初めて年間10万人を超えるなど、都市部への人口集中が目立っている。一方、地方では人口減が下げ止まらず、人口格差はますます拡大している。
総人口は前年より1万2707人増の1億2706万6178人(男性6211万7295人、女性6494万8883人)で、3年ぶりに増加に転じた。出生者数は前年より4548人増の109万6465人と2年連続のプラス。死亡者数は112万5584人で、過去最多だった前年を4万4410人上回った。死亡者数は出生者数を2万9119人上回り、2年ぶりの自然減だったが、在外邦人の転入が転出を5年ぶりに上回り、人口増になった。総人口の50・2%は東京圏(東京、埼玉、千葉、神奈川)、名古屋圏(愛知、岐阜、三重)、関西圏(大阪、京都、兵庫、奈良)の三大都市圏(計6378万6830人)に集中。東京をはじめ、神奈川、愛知、千葉、埼玉が人口増加の大きい都道府県の上位に並んだ。【石川貴教】
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(1)東京 100,460
(2)神奈川 57,264
(3)愛知 40,130
(4)千葉 32,551
(5)埼玉 25,292
(1)北海道 28,935
(2)青森 15,049
(3)福島 13,884
(4)秋田 13,006
(5)長崎 12,949
※単位は人
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■ことば
自然増加数は出生者数から死亡者数を差し引いた数で、プラスなら自然増、マイナスなら自然減と呼び、前年の人口と比べた割合が自然増加率となる。社会増加数は自治体の場合、他の自治体から転入してきた人や新たに日本国籍を取得した人から、他の自治体に転出した人や他の国籍を取得した人などを差し引いた数。総人口の場合の転入出は外国から転入出した数に基づいて算出する。プラスなら社会増、マイナスは社会減と呼び、社会増加率は自然増加率と同様に求める。政府の人口に関する統計は国勢調査に基づき毎月1日現在で算出する人口推計、都道府県の転入出など人の流れに着目し住民基本台帳に基づく人口移動調査などがある。
毎日新聞 2008年8月1日 東京朝刊