福田康夫首相が自らは衆院解散・総選挙に踏み切らず、次期衆院選を前に退陣する意向を自民党有力議員に漏らしたことが1日、複数の関係者の話で分かった。総選挙に関し「(党幹事長に就任した)麻生太郎氏にお願いしたい」として事実上の政権禅譲を示唆したとされ、発言の真意をめぐり波紋が広がりそうだ。
関係者らによると、福田首相は都内で自民党有力議員と会談。内閣改造後の政権運営について自ら衆院解散に踏み切るかを問われ、「やらない。麻生さんにお願いします」と答えたという。
首相の発言は、改造後の政策実績を掲げて衆院選に臨んでも与党の過半数維持は困難との厳しい認識を示した形だが、本心なら政権の求心力低下に直結しかねず、党内には「麻生氏を党執行部に引き込むための意図的な発言ではないか」との見方も出ている。
=2008/08/02付 西日本新聞朝刊=