「うつぶせ寝死亡」賠償請求/保護者が提訴
中城村の認可外保育園で今年三月、生後七カ月の男児を保育士がうつぶせにして寝かせたため呼吸ができなくなって死亡したとして、両親が保育園を相手に損害賠償を求める訴えを那覇地裁沖縄支部に起こしたことが三十一日までに、分かった。事故を受けて県は六月に保育園への立ち入り調査を実施。宜野湾署は事件と事故の両面から調べている。
訴えによると、男児は三月八日午前八時三十五分ごろ、うつぶせ寝のぐったりした状態で見つかった。母親が保育園に預けた約一時間後だった。救急車で病院に搬送されたが、十三日後に亡くなった。
両親が宜野湾署に通報。同署が男児の遺体を司法解剖した結果、死因は心肺停止状態に起因する低酸素脳症と判明した。
両親は(1)生後間もない乳児に危険性が指摘されているうつぶせ寝をさせていた(2)担当の保育士が、布団類で鼻や口がふさがれないよう注視する注意義務を怠っていた―と主張。保育士の注意義務違反と保育園の使用者責任を指摘している。
男児は本格的な入園前の「慣らし保育」中だった。母親は「事故の一週間前に受けた健康診断で異常はなかった。息子はまだ寝返りができず、保育園でうつぶせ寝をさせられているとは知らなかった」と話している。
県青少年児童家庭課は事故直後に保育園から事情を聴取。保育園は「男児をあおむけに寝かせていたが、ほかの子どもが触ろうとしたので保育士がうつぶせにした」と説明しているという。副園長は「提訴された事案であり、コメントは差し控えたい」と話している。
県認可外保育施設指導監督基準では、乳児の保育をあおむけで行うよう指導している。うつぶせ寝について同課は、例外を認めながらも「乳幼児突然死症候群(SIDS)の危険性が高まるなどの指摘があり、保育上必要な場合は保護者への相談や十分な安全確保が必要」と説明している。