makimakiによるひさびさの布教(爆)活動です

血尿や尿石の多い季節なので、お題は「猫の膀胱炎の基礎」。
(猫の尿石症についてはかなり前の日記でたくさん書いてますんで、
呼んだ事のない方はそちらもチェックして下さいまし〜)

「炎症」と一言で言っても、感染を伴う場合と
伴わない場合があります。

炎症を伴う場合の感染源は基本的に「大腸菌群の上行性感染」です。
(つまり糞便由来の大腸菌ですね、...皮膚表面の雑菌も含まれるかな)
この感染というのは　尿が排泄されるたびに洗い流されるので
おっしこをたくさん、何回もするコでは膀胱への感染が成立しません。

感染を伴わない膀胱炎というのは
基本的に尿量が少なく頻尿とか、我慢しすぎるとかが原因になります。
あと、結晶や尿石による外傷ですね。

...ここまでは大丈夫かな？

猫っていつもお尻をキレイにしてるでしょ？
ってことは感染が成り立つと思われますかね？

つまり、ヒトや犬の膀胱炎はほぼ常に感染を伴いますが、
猫の膀胱炎は　ほとんどが感染を伴わないんですょ
(...自分でキレイに舐めないコは、別ですよ？)

もし　本当に感染があるとしても、ですよ？
基本的に大腸菌群のハズなんです。
抗生物質が効かないとか、再発を繰り返すって
それは通常の大腸菌群ではありえないことでしょう？
ありえませんのよ。
なので感染性だというのであれば、細菌培養と薬剤感受性試験を行わなくてはいけません。

猫エイズや猫白血病ウイルス陽性のコであれば
特に注意が必要です。
なぜならこれらのウイルスは免疫系の細胞に感染するので、
免疫異常を起こすからです。
炎症が治りにくくなりますので、
薬剤投与を繰り返したり、徐々に強い薬にするという事はやってはいけないんです。
寿命が縮みます。
感染が疑われる場合には　速やかに感染源を特定して
効果のある薬を投与して　薬剤投与期間と投与量を最小量に抑える必要があるのです。

今日はここまでにして...
我が家のアイドル琥珀をお見せしましょうか(笑)


札幌はここ数日冷え込みました。
と言っても室温は20℃なんですが...
ケージの奥で寒さに震える琥珀です。
(体感温度が25℃くらいないと寒いようです)