




飼い主様宅の現在の様子について、ご心配される方が多いので、
現状を皆様にお知らせいたします。
少しずつ書き足していきたいと思います。。。
現在、飼い主様宅に残る80頭近い猫達の多くは、一時のパニック症状も治まり、
鳴き声も少なく、比較的落ち着いて暮らしています。
ご飯も全頭に概ね行き渡っており、トイレも決められた場所できちんとします。
(もちろん、ペルシャ系のため、吐いた毛玉が多く散乱していますが、
飼い主様が毎日きれいに拭き取っているとのことです。)
当初問題になっていた臭いについては、これまでの個人ボランティア様が
掃除を徹底して行われたことと、猫の頭数自体が少し減ったことにより、
数軒先まで臭うような状態ではなくなりました。
また、飼い主様宅内でも、現時点では毎日の掃除が行き届いているため、
生活に支障をきたすほどのものではないと思われます。
飼い主様と高齢の猫達が主に過ごすリビングでは、ほとんど臭いません。
(27日、強力なペット用消臭剤2本を寄贈いたしました。)
子猫が生まれて悲惨な状況になっているのでは、と多くの方がご心配
されている件ですが、23日以降、1頭も生まれていません。
妊娠直前期の母猫は黙視では確認できず、近日中の出産はなさそうです。
最近、妊娠していた母猫は、確認できる限り全頭流産又は早産しています。
ちび猫の育児に慣れたベテランボランティア様宅に運び込まれた、
生後間もない10頭近い子猫のうち、生存しているのは1頭のみです。
今回の100頭の救出活動が始まる前は、子猫はすくすく育っていました。
救出活動が始まり、不特定多数のボランティア様が昼夜を問わず、
入れ替わり立ち代わり飼い主様宅を訪れるようになってからは、
子猫が未熟児で生まれたり、流産や早産・育児放棄が急増しました。
皆様の善意の活動を否定する訳ではありませんが、救出活動に伴い、
母猫に過度のストレスがかかり、子育てが困難な環境になってきたのは、
避けようもない事実です。
同時に、夜遅くまでボランティア様の労をねぎらい、対応されてきた
飼い主様の物理的・心理的な負担も、背負いきれないくらいに
大きくなっていたのも、同様に避けようもない事実です。
もちろん、こうした状況にならないように、早期に不妊・去勢手術を
実施していればよかったことは飼い主様も十分承知しています。
しかし、これまでの救出活動の過程で、猫達にも飼い主様にも
過度の負担が重くのしかかっており、猫も人も体調を崩してしまった
ことは、今後の救出活動を進める上で、大いに問題があります。
従来の救出活動をお休みしている現在、猫達・飼い主様ともども、
以前の平穏に近い形で日々を過ごしています。
私どもは、この平穏をできるだけ乱さないよう細心の注意を払いつつ、
猫達に対して過度なストレスを与えないように、保護や清掃等を
続けられるよう、飼い主様と今後の進め方について協議しております。
たとえば、週に○回・1回○時間以内・保護は1回○頭以内・等々、
持続可能な保護活動を心がけていきたいと思います。
今、無理して一気に全頭保護等を進めるとしたら、
それこそ、飼い主様宅で猫がパニックを起こして逃げ惑い、
飼い主様自身も過度の負荷で倒れてしまい、文字通り修羅場と化して
しまうのは、目に見えています。
そのような状況になれば、近隣にも一層大きな迷惑がかかります。
何としてでもそうした状況を作ってはならないのではないでしょうか。
飼い主様の責任を追及したい皆様のお気持ちも、痛いほど分かります。
しかし、猫を救うために今必要なのは、飼い主様・猫達が共倒れ
しないよう、飼い主様を支えていくことではないかと考えます。
飼い主様は、これまで100頭近くに増えた猫達の母親として、
平日フルタイムでお仕事をされ、猫達を細く長く支えてきました。
この細い支えを力ずくでへし折り、立ち直れなくすることが、
ボランティアの役割だとは、私は思えません。猫のためにもなりません。
残された猫達を救うためにも、周りにいる人達を救うためにも、
ここでもう一度原点に立ち返り、一緒に取り組んでいきませんか?
写真1(7月27日):部屋1。猫達は比較的落ち着いています。
写真2(同) :リビングの先住猫さん。以前から通院治療中です。
写真3(7月25日):部屋2。この日は猫達はビクビクしていました。
写真4(同) :部屋2のタンスの上の猫達。
写真5(同) :部屋1の先住猫さん。やや高齢とのことです。
(記:東京都動物愛護推進員 後藤一平)
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