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外資の投資回収加速、純投資額が27年ぶりマイナス

 オランダ家電大手のフィリップスは今年3月、LGフィリップスLCDに対する持ち株6.7%を売却し、約10億ドルの投資資金を回収した。フィリップスはバイオ、ヘルスケアなどの成長分野に投資するための資金確保だと理由を説明したが、韓国の立場からすれば外資撤退に当たる。

 粘着剤付き付せん「ポスト・イット」で知られるスリーエムは、アジアで新規工場の建設先として韓国とシンガポールを検討していたが、結局はシンガポールへの進出を決めた。政府関係者によると、外国資本に対する優遇、外国人の生活環境など投資環境面で韓国はシンガポールより評価されなかったという。

 外国企業が新工場を中国やシンガポールなどアジアのライバル国に建設する一方、韓国からは投資資金を回収しており、韓国への外国直接投資(FDI)は落ち込みを続けている。

 韓国銀行は31日、今年上期に外国人が経営参加目的で韓国で企業の株式10%以上を取得した直接投資の純投資額(新規投資から投資回収分を差し引いた額)はマイナス8億8610万ドル(約955億円)だった。

 外国人が韓国に投資した額より投資を回収した額が多かったという意味で、半期べースで純投資額がマイナスになったのは光州事件で政情が不安定になった1980年下期(マイナス6200万ドル)以来27年ぶりだ。

 外国直接投資のうち、投資額は2000年の44億5010万ドル(上半期・約4800億円)をピークに減少に転じ、ついに今年はマイナスに転落した。

 これに対し、韓国企業による海外投資額は毎年増えており、今年上期の海外直接投資の純投資額は68億1800万ドル(約7355億円)で前年同期(50億880万ドル)を36.1%上回った。

金洪秀(キム・ホンス)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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