海底に枠を置いてサンゴの調査をする研究者ら=1日午前、沖縄県糸満市沖、小林裕幸撮影
沖縄県の糸満市沖で1日、世界自然保護基金(WWF)ジャパンと日本サンゴ礁学会によるサンゴの潜水調査が始まった。海底に占めるサンゴの割合や、分布するサンゴの種類などを詳しく調べる。南西諸島全域に及ぶ調査の一環。これだけの範囲を「精密調査」するのは初めてだ。
この日の調査には琉球大の研究者ら4人が参加し、午前8時に始まった。1メートル四方の枠を海底に置いて水中カメラで撮影し、生きたサンゴの種類や割合、サンゴが衰弱して白っぽくなる「白化」の有無などを記録した。
南西諸島では近年、海水温の上昇による白化の拡大が心配されている。さらに石垣島と西表島の間に広がる日本最大のサンゴ礁域「石西礁湖(せきせいしょうこ)」では近年、サンゴをたべるオニヒトデが大量発生し、駆除が追いつかない状況だ。
こうした現状をきちんと把握し、地球温暖化に伴うサンゴの分布の変化や、白化の広がりなどを監視する基礎データにするのが目的。種子島(鹿児島県)から西表島(沖縄県)までの計23カ所を順次調べ、年内に結果を報告書にまとめる。(山本智之)