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2008年07月31日
調査 ]
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 アニメ関連企業団体の日本動画協会の調べによれば、2007年アニメ業界の売上高推計金額は2396億7450万円となった。これは2006年の推計値2587億円からおよそ7.4%の減少となっている。
 減少幅は小さいが、動画協会がこの調査を始めた2002年以降、初の減少となる。これまで右肩上がりの成長を続けてきたアニメ産業が転機を迎えている可能性がある。

 日本動画協会は、アニメ製作・制作企業や映像パッケージメーカーなど56社が加盟するアニメ産業の同業者団体である。東京国際アニメフェアの運営や業界の意見集約などを行っている。
 このほかに統計資料のまとめも行っており、アニメ業界の売上高推計金額は、協会加盟会員各社の売上を集約後、会員以外の売上も考慮して、これに一定比率をかけたものである。小売市場でなく、生産者側の数値から算出した市場規模調査になっているのが特徴である。

 今回、前年比で売上高推計金額が減少したことについて動画協会は、テレビアニメ放映本数の減少を大きな理由に挙げている。テレビアニメの制作は2006年の555億円から2007年の475億円とおよそ16%の減少となる。
 このほか劇場アニメ制作、ビデオ制作・権利料、ビデオ販売、商品化、海外販売いずれも前年比で減少となっている。音楽出版、配信は増加しているがまだ金額は少ないともする。

 2007年よりテレビアニメの制作本数は前年比で減少している。それでも2007年では制作本数は高止まりとみられていた。しかし、2008年にはこれがさらに減少し、テレビアニメ制作本数は下方トレンドに入ったとみられている。
 これまでアニメ業界では、アニメ制作本数の増大とその結果のタイトルごとの採算性の悪化が、主に映像パッケージメーカーの業績に影響を与えていた。こうした採算性の悪化が映像パッケージメーカーのDVD販売タイトルの減少、そして制作本数自体の減少につながったと言える。

 制作本数の減少で、映像パッケージメーカーの採算性は今後若干好転する可能性が高く、これまでよりは比較的余裕のあるアニメ事業が行えそうだ。
 一方で、今後もアニメ制作の減少が続けば、今度は高水準のアニメ制作を前提にしてきたアニメ制作スタジオに影響が及ぶ可能性が高い。大手の製作会社は版権事業の強化で、こうした状況を乗り越えることも可能である。しかし、製作出資を行わないアニメ制作を主体とする企業には、厳しい局面となる。

日本動画協会 http://www.aja.gr.jp/

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posted by animeanime at 2008.07.31
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