医療介護CBニュース -キャリアブレインが送る最新の医療・介護ニュース-

CBネット |  医療介護CBニュース

政府(厚労省他)


“委縮医療”の原因は訴訟リスク

 医療事故の原因を調べる第三者機関(医療安全調査委員会)の創設について、厚生労働省は「真相究明と再発防止」のほか、「医療従事者が委縮することなく医療を行える環境を実現する」との理由を挙げている。“委縮医療”が生じる原因については、「医者にとっても懸命に手を尽くした事例であるのにもかかわらず訴訟を起こされてしまう」とした上で、「訴訟リスクの高い産科等が敬遠されてしまうといった事態」を問題視している。

【関連記事】
死因究明で議論錯綜―日本医学会(上)
死因究明制度でシンポ(5)ディスカッション
死因究明制度「内容に問題」―医療系学会
萎縮医療か、医療安全か/医療事故調の創設
医療事故調、医療現場は抵抗

 厚労省が創設を予定している医療安全調査委員会をめぐっては、医療現場などから、“委縮医療”を理由に反対する意見も出ている。同委員会が創設されると、診療行為に関連した死亡事例を広く届け出ることになるため、刑事罰や行政処分を科される範囲が広がる。その結果、医療事故につながりやすい救急や産科などの診療科が患者の受け入れを制限するという意味で、「委縮医療を生じさせる」と批判されている。

 ところが、厚労省が7月31日に公表した同省の広報用パンフレットでは、“委縮医療”が生じる原因について次のように記載している。「医者にとっても懸命に手を尽くした事例であるのにもかかわらず訴訟を起こされてしまうといった問題が生じ、訴訟リスクの高い産科等が敬遠されてしまうといった事態も起こっています」。

 このように、“委縮医療”の原因を「患者から訴えられるリスク」(民事訴訟)と狭く限定するか、それとも「刑事司法が介入する恐れ」(刑事訴訟)や行政処分なども含めて広く考えるかについては意見が分かれるため、今回の厚労省の限定的な解釈は各方面に波紋を広げそうだ。

 詳しくは、厚労省のパンフレットを参照。
 【パンフレットのPDF】
 http://www.mhlw.go.jp/wp/publish/pdf/p01.pdf


更新:2008/08/01 13:21   キャリアブレイン


このニュースをメールで送る

ご自身のお名前:


送信元メールアドレス(ご自身):


送信先メールアドレス(相手先):


すべての項目にご記入の上、送信ボタンをクリックしてください。

ログイン-会員登録がお済みの方はこちら-

キャリアブレイン会員になると?

転職支援サービス

専任コンサルタントが転職活動を徹底サポート

スカウトシステム

医療機関からスカウトされる匿名メッセージ機能

医療介護ニュース

独自記者の最新の医療ニュースが手に入る!

キャリアブレインの転職支援サービスが選ばれる理由

【第21回】洛和会音羽病院院長・松村理司(まつむら・ただし)さん 救急を断らない―。京都市の洛和会音羽病院は、ER型救急医療を実践する民間病院。年間5000件の救急車を受け入れている。一般病床428床に医療療養型、認知症病床、回復期リハ病棟を合わせて588床で、150人を超える医師を抱える。その総指 ...

記事全文を読む

1人ひとり 個別の条件を大切に東京勤労者医療会「東葛(とうかつ)病院」(千葉県流山市)ママさん看護師も多数活躍 看護師の厳しい労働実態が指摘され、離職率が新卒で9.3%、全体では12.3%に達するなど、看護師の離職を避ける取り組みが看護現場の重要な課題になる中、「長く働き続けられる病院」が、千葉県流 ...

記事全文を読む

夏の健康管理に気をつけて!

各地で「猛暑日」となる気温35度を記録するなど、今年の夏も暑い日が続いています。体調を崩さない為に夏の健康対策をどうすればいいか、医師に尋ねました。

>>医療番組はこちら


会社概要 |  プライバシーポリシー |  著作権について |  メルマガ登録・解除 |  スタッフ募集 |  広告に関するお問い合わせ