2007年03月23日
痛みパワーを数字で測定! 二プロが痛み測定値「Pain Vision(ペインビジョン)」を発売
医療機器の【ニプロ(8086)】は3月22日から、【オサチ】が製品化した知覚・痛覚定量分析装置「Pain Vision(ペインビジョン)」を全国の医療機関向けに販売開始したと発表した(【発表リリース、PDF】)。感じる痛みを数値化し、客観的な痛みを測定可能とする。定価は1台150万円。29×19×10.5センチの大きさで、重さは2.5キロ。パソコンに接続してデータを管理する。
「Pain Vision(ペインビジョン)」では患者の腕などに電極パッドをつけて微弱な電気を流した上で、患者が患部の痛みと同程度の刺激と感じるまで電圧を高め、その値を測定し数量化する。人間の脳は同時に複数箇所に痛みを受けると、より強い痛みの方に気が集中してしまう。そのため「どちらの痛みを感じるのか」をチェックすることで、数値化されている電圧との比較により、計測したい痛みが数値化できる。
従来医療機関では、大体どれくらいの痛みを感じるかという概要的な患者の主観表現や、「フェイススケール」という痛みの度合を示す表情のイラストを指摘してもらい痛みを数量化する、大雑把な測定しかできなかった。この「ペインビジョン」により、他人の痛みが数字で計測できることになり、客観的なデータのもと、治療や投薬に反映できる、としている。
要は「今感じている患部の痛みと同じくらいの電圧まで電極パッドの電圧を上げて、『患部の痛みより痛い!』という時点の電圧がほぼ患部の痛みと同じ」という理論で測定するというものだ。元々数量化できないものを、比較対象するものを用意して数量化する、つまり電極パッドの痛みをモノサシ代わりに使うとは、まさに発想の転換的なアイディアといえる。
この「ペインビジョン」を使えば主治医の前で「すっげー痛いんですが」「どれくらい?」「だから鼻血が出るほど」「?」というような、掛け合い漫才的なやりとりをしなくても済むことだろう。また、「人の痛みは分からない」といういましめ的な言葉もこの「ペインビジョン」では通用しないかもしれない。
ただ、これはあくまでも比較対象した数字的なものでしかない。仮に100単位の電圧をかけた痛みと同程度の痛みを二人の患者が感じたとして、数字化された計測データ上は「二人とも同じ痛み」と表現されるが、心理的に両者が同じ程度の痛みを「感じている」とは限らない。やはり「こころのなかみ」は数字では表せないものなのだろう。
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