記者会見する、倒壊した旅館「駒の湯温泉」経営者の家族で、救出された菅原昭夫さん=31日午後、宮城県栗原市役所 駒の湯救出の菅原さん会見 「今ここにいられるとは」「今ここにいることが信じられない」-。岩手・宮城内陸地震で倒壊、死者5人を出した宮城県栗原市の旅館「駒の湯温泉」経営者の家族で、救出された菅原昭夫さん(53)が退院し、31日、記者会見で土石流に襲われた当時の様子や現在の心境を語った。 菅原さんによると、地震が発生した6月14日、倒れた自動販売機などをホールで片付けていると、誰かの叫び声を聞いた。「山が崩れた」。沢の向こうからものすごいごう音とともに迫る土石流が見える。建物ごと流された。「気が付くと洗濯機と壁の間で身動きできなくなっていた」と振り返った。 足などを骨折し、30日に退院したばかり。母チカ子さん=当時(80)=と兄孝夫さん=同(58)=が犠牲になった。 淡々とした口調だった菅原さんが唯一声を詰まらせたのは、今も行方不明の従業員高橋恵子さん(55)と佐藤幸雄さん(62)に言及した時。「入院中ずっと考えていた。見つかってほしい。それだけです」とかみしめるようにつぶやいた。
【共同通信】
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