岩手・宮城内陸地震で7人が死亡・行方不明となった栗原市栗駒・耕英地区の旅館「駒の湯温泉」経営者で、土砂から救出された菅原昭夫さん(53)が31日、退院を機に記者会見した。旅館では、客の地域づくりプランナー、麦屋弥生さん(48)や菅原さんの母チカ子さん(80)ら5人が遺体で見つかっている。
菅原さんによると、6月14日の発生直後「山が崩れた」と叫びながら、麦屋さんらが階下の客室から駆け上がってきて、ものすごい音と共に土砂が押し寄せてくるのが見えた。洗濯物を片づけていたチカ子さんに「逃げろ」と叫んだが、母はがれきにのみ込まれていった。【藤田祐子】
毎日新聞 2008年8月1日 東京朝刊