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【信越ヘリ墜落】「標識あれば事故はなかった」 裁判長が中部電力の責任を指摘
このニュースのトピックス:民事訴訟
信越放送の取材ヘリが送電線に接触して墜落、乗員4人が死亡した事故で、死亡した信越放送記者、三好志奈さん=当時(26)=の遺族が、国と中部電力、信越放送、ヘリ運航会社の中日本航空に損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁の鶴岡稔彦裁判長は、「中部電力は航空法に違反しており、法に従って送電線に昼間障害標識を設置していれば事故はなかった」と指摘し、中部電力の責任を認めた。
航空法などでは、電力会社に地上60メートル以上の送電線に標識の設置を義務付けている。
中部電力は、航空法の規定では谷あいの送電線は高さをどこから計測するのかがあいまいだとした上で「送電線の高さではなく、鉄塔の高さを基準に判断するという解釈が電力各社では一般的解釈だった」と述べ、賠償責任はないとしていた。
鶴岡裁判長は「航空法の解釈として、中部電力の主張は採用できないし、そのような解釈が一般的だったと認めることもできない」と指摘。中部電力が標識を設置しなかったことと事故の因果関係を認めた。
一方、国の責任については「航空法上、送電線に標識を設置させる義務はなかった」とした上で、「事故以前に、送電線接触事故が頻発していたわけではなく、設置させるように指導しなかったからといって、国の裁量権の乱用があったとはいえない」などとして遺族の請求を退けた。
信越放送との間では、機長や取材者に送電線に注意するよう指示する義務の有無などが争われたが、判決は「飛行の安全性確保は一次的に中日本航空や機長に委ねられる解すべきだ」として、信越放送の賠償責任を認めなかった。