「あのときのエース三人がそろって甲子園の土を踏むんだ」。二年前、中学球児だった彼らが夢をかなえたことを知り、うれしさがこみ上げました。
倉敷商高野球部二年生の岡大海(倉敷一中出身)、吉田達也(総社東中出身)、大川諒(連島南中出身)の各選手です。
いずれも二〇〇六年の山陽新聞社杯争奪岡山県中学校野球選手権大会で県チャンピオンを激しく争った有力チームのエース。当時、中学三年生だった三人は地区大会、岡山県大会、中国大会と何度も対戦し、しのぎを削りました。
先の高校野球岡山大会決勝の関西戦でバックスクリーンに本塁打を放った岡選手は、中学三年生で既に身長が一八一センチあり、一三〇キロ超の直球を投げることで注目を集めていました。吉田選手は山陽新聞社杯優勝チームの主将兼投手、大川投手は中国中学大会決勝で延長九回を投げ抜き、ノーヒットノーランを達成しています。
当時の取材ノートを広げてみました。「最後まで気持ちで投げる」「今、必要なプレーを考えながらやっている」。好きな野球としっかり向き合っていた様子が言葉の端々から感じられます。
七月二十九日付の本紙スポーツ面には、夏の甲子園に十一年ぶり七度目出場する倉敷商高のベンチ入り十八人の紹介記事があり、この三人のプロフィルも載っています。
かつてのライバルはチームメートとして、八月二日開幕の全国高校野球選手権に臨みます。きっと大勢の中学球児も、あこがれのまなざしで見つめることでしょう。
(運動部・飯田陽久)