大雨による金沢の浸水被害の支援に、きのうは高校生も駆けつけた。7校約170人が土砂の除去やごみ出しなどに汗を流した 被災地では中学生のボランティアも奮闘している。不慮の災害は悲しい出来事だが、支援に汗を流す若者たちの姿は頼もしい。能登半島地震でも、タンカー沈没事故の重油漂着時にも、大勢の高校生や若者が駆けつけた。いい時代になったと思う 一方で、ナイフを振りかざした若者たちの暴走が、連日のように報じられている。親殺しや理由なき殺人、衝動的な通り魔といった惨劇が、呼び水のように広がる勢いである。親子の情愛、他人への思いやりといった大切なものが、歯止めを失って次々とこぼれ落ちていく社会のように映る のどの渇いた人の前に差し出されたコップから、水が半分こぼれてしまったというたとえ話を想起する。貴重な水がごっそり減ってしまったと嘆き、こぼした人を恨むのか。いや、まだ十分に残っている、と心強く思い、残った水をいとおしむのか 奉仕に汗を流す若者の姿は、コップに残る貴重な水である。大切にしなければ罰が当たる。
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