デイケアを担当していて,ちょっと困ってしまうこと。
それは,「主治医になってください」とちょくちょく頼まれてしまうことだったりします。
元々自分が外来診療をしている患者さんが途中からデイケア利用を始めるときには,デイケアの担当医も主治医も私,ということになるのですが,そうでないケースは外来診療は元々の主治医のところで続けていただいて,デイケアのときだけ私が主治医という扱いになります。
それはデイケアへ導入する時点で初めから利用者さんへお伝えして了承いただいていることなのですが…。
それでも,途中でどうしても転医したいと希望してこられる方がいらっしゃるのです。
そりゃあ確かにデイケア活動などを通じて患者さんやご家族と私がお話をさせていただく機会はかなり多いし,それも診察室という構造化された場ではなく活動のなかでインフォーマルな会話を交わすことも多くなるから,患者さんが「自由になんでも話せる!」とありがたい勘違い(?)をしてくださる理由はわからなくはありません。
でも。
結局のところ,根底にあるのは今の主治医への不満。
それも多くの場合,診療時間が短いこと…。
こればっかりは,どうしようもないと思うのです。
このblogでもときどき書いているけれど,今の保険診療の制度では,特に外来診療のみのクリニックの場合どうしてもたくさんの患者さんを次々に診察しないと経営が成り立たないわけで。
評判のいい先生のところほど患者さんが殺到するから,たくさんの患者さんを担当しようとすればするほど,患者さんひとりあたりの診療時間は短くなってしまうのは当然のこと。
私だって,デイケアでは患者さんとはゆっくりお話ができても,外来診療でひとりの患者さんのために割ける時間にはほんのわずかなものだったりします。それに,デイケア場面でのおしゃべりにいったいどれほどの治療効果があるのかと問われると…たとえ短い時間でも主治医の診察のほうが実際のところよっぽど治療的かもしれません。
結論。
そんなに主治医の診察を不満に思うなら,まずは主治医にきちんと不満を伝えてみること。
それでも納得できなければ,思い切って転医してみるしかない!
(ただし,最初の約束どおり私を主治医として選んでいただくことはできませんが…。)
今の外来診療を続けるか,不満を伝えてみるか,転医してみるか,…。
その選択をするのは患者さんご自身(…ご家族とご相談することも含めて)。
現状への不満をいろいろ教えていただいたところで,私が患者さんのためにこの3つの中から方針を勝手にお選びすることはできません。
自分が何のために,何を求めて治療を受けているのか。
いちばん大切な治療の目的を見失わず,自分のために最良の選択をしていただけたらいいな,と思います。
なにしろ,自分のための治療なんですから,ね!

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