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中国:雲南衝突 当局、原因調査を指示 胡錦濤指導部の意向反映

 【上海・鈴木玲子】中国雲南省孟連ダイ族ラフ族ワ族自治県で住民と地元警察が衝突、住民2人が死亡した事件で、雲南省トップの白恩培・省共産党委員会書記は19日、「早期に事態の沈静化を図り、エスカレートするのを防がなくてはならない。大衆の意見を聞き、迅速に原因を調査し、真相を適時、公表しなくてはならない」と指示した。

 地元紙「雲南日報」(電子版)が20日報じた。中国では北京五輪を目前に、住民と当局との衝突が相次ぐ。白書記の指示は、社会の安定を目指す胡錦濤指導部の意向を反映しているのは間違いない。

 報道などによると、自治県内のゴム園で働く一部労働者とゴム園を経営する企業間での利益をめぐる衝突事件を処理するため、県当局は15日、担当者らを派遣した。

 19日午前、地元警察が衝突による犯罪容疑者を出頭させようとした際、500人以上の住民らに取り囲まれ、警官らが暴行により負傷した。このため警官が「自衛のためやむを得ず」ゴム弾を発砲、労働者2人が死亡した。また住民15人、警察側41人が負傷し、警察車両8台が破壊された。

 労働者らの抗議は賃金などを巡るトラブルが発端とみられているが、20日の香港紙「星島日報」などによると、最近の天然ゴム価格の国際的な高騰で、地元ではゴム栽培がブームになっていたという。

 農民が請け負っていた栽培地の収用、原始林の開墾などが相次ぎ、地元の少数民族は不満を強めていたという。北京などに陳情に赴く農民もいたが、政府や警察の当局者が企業側と結託し、報復したり、拘束していたとされる。

 同県はミャンマー国境に位置し、人口11万4000人のうち21の少数民族が86%を占める。多くがチベット語系の言葉を話し、仏教などを信仰している。

毎日新聞 2008年7月21日 東京朝刊

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