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◆オリックス2―3楽天(27日・京セラドーム大阪) ベテランのひと振りが、チームを泥沼から救った。2点のリードを一度は追いつかれた楽天だが、9回2死三塁で代打・吉岡雄二内野手(36)が殊勲の左越え勝ち越し二塁打。その裏、2死満塁のピンチを辛うじてしのぎ、連敗を5で止めた。8回2失点のエース岩隈久志投手(27)は、ハーラートップ独走の14勝目。28日からは球宴前最後となるロッテとの2連戦(千葉)に臨む。
“元近鉄ファン”も多い敵地の声援を背に、吉岡が執念の一打で勝利を呼び込んだ。同点の9回2死三塁。カウント2―2からオリックス・菊地原のスライダーを、バットの先っぽですくい上げた。左翼線に舞い上がった打球は、ダイビングした左翼・小瀬のグラブをかすめ人工芝に弾んだ。
「レフトが左中間寄りに守ってたんで、抜けてくれると思った」二塁塁上では、いつものポーカーフェイスを崩さなかったベテラン。だが、代走を告げられて三塁ベンチに戻ると、珍しく小さなガッツポーズ。「今年初めて仕事ができたね」待望の初打点が連敗ストップの殊勲打となり、思わず喜びが爆発した。
近鉄の消滅で楽天に移り、創設期を支えた元主砲も今季は開幕から2軍生活が続いた。6月に一度は1軍に昇格したが、わずか半月で再降格。右の代打不足から、25日に2度目の昇格を果たしたばかりだった。世代交代の波にさらされながら、「ファームに慣れて、気持ちが切れないようにした」というプロ19年目。かつての本拠地で健在ぶりをアピールした。
連敗に沈むチームに活を入れる一打。5連敗など当たり前だった球団1年目も、黙々とチームを引っ張ってきたベテランは「勝てたことが一番だよ」と静かに語る。不言実行の勝負師は、チーム再浮上のため、これからもひと振りにかけて出番を待つ。
(2008年7月28日10時00分 スポーツ報知)
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