侵入!!デズニーシー!!
さて、この企画自体4年ぶりである。
いやあ、まさか復活するとは思わなかった。
この企画に最も重要なものは何か?
それは『勢い』である。
自分的には、この企画に限って言えば、
その勢いは失速していた。
正直飽きがきていたし、
もう新しい感動はもたらしてくれないだろう。
実行に移す程の勢いは生まれないであろう。
そう思っていました。
が、後輩達がその勢いをくれた。
飲み会で
「やりましょう!侵入!」
と詰め寄られた時、
涙が出る程嬉しかったのです。
よし!
こいつらの勢いに賭けてみよう!
こいつらと行けば新しいものが産まれるかも!
と思ったので、やりました。
犯罪。
警察に捕まったら
こう言おうと思ってました。
いやあ、感動的に書いても捕まったらお縄ですから。
メンバー達に黒い服に身を包めと指示し、
後輩の田嶋君にだけはなるべく派手な格好で来るように指示し、
当日。
舞浜駅に降り立った自分を迎えたのは、
行き過ぎなまでに黒い男女6名。
黒い、黒過ぎ。
不自然。
怪しいです。
これが中世ならあっというまに密告されて
火刑にされてしまうに違いない。
ただでさえ怪しいのに後輩のM田君は
銀行強盗に入るときに被るようなマスクまで複数持参しており、
完全に本末転倒な行き過ぎっぷりでした。
素晴らしい。
ちなみにT嶋君は来ませんでした。
顔が赤くなるくらい興奮している
M城が
地図をネットで落としてプリントアウトしていたので
皆で同様に興奮しながら作戦を検討する。
彼はすでにいくつか侵入ポイントの当たりをつけていた。
頼もしい。
まずポイント1。
インディージョーンズの裏。
この付近はアトラクションの性質もあって周囲が森で囲まれており、
身を隠す場所が多いのである。
また、外の道路に面しており
さらに丁度施設の角にあたるためスキがあるのではなかろうか?
偵察してみないとわからないが第一候補だろう。
ポイント2
豪華客船の裏から。
ここも施設の角なので、園内への距離が短い。
身を隠す場所は全くないが、
船から侵入なんてかっこいいし、
まさかそんな所から来るだろうとは思わないだろうから
奇襲になるのではないだろうか?
この宮城の案に加え、
ランドと同様に企業「オリエンタルランド」から侵入
という作戦の3つが主な作戦となりそうだった。
とりあえず、まずは下見だ。
舞浜駅からランド正門へ。
ゾロゾロ。
全員真っ黒。
侵入する前に捕まりそうです。
深夜の正門に5年ぶりに到着。
我々を出迎えたのは、
さらに厳重になったセキュリティでした。
青いパトランプの車はもちろん、
赤外線センサーに加え、
フェンスには高電圧注意の文字が。
勿論フェンスの上には鉄条網がびっしり。
この最新鋭の設備をはたして切り抜けられるのだろうか?
などと考えてもしょうがないのでとにかく歩く歩く。
デズニーシーはランドのさらに奥にあるため、
かなりの距離を歩く。
遠い。
ふと見るとホテルの裏口みたいな所に自動販売機があったので、
ジュースを買おうと中に足を踏み入れた。
途端。
いきなり警報装置が作動し
「プイーン」
とか言いはじめたので逃走を余儀なくされる。
どうも警備体制が一新されている。
あんなホテルの汚い裏口にまで警報がついてるなら、
シーにはとてつもない設備が搭載されてしまっているに違いない。
あーやっかいやっかい。
気を取り直しどんどん歩く。
フェンスもどんどん続く。
鉄条網がめぐらされており、
フェンスのてっぺんには赤外線センサーが。
厳重な警備だ。
だがきっとどこかに穴があるはず。
そう思いどんどん歩く。
と、向こうから
「セキュリティー」
と書かれた車が走ってきた。
ヤバい!!
天下の公道にまで警備の手を
のばしているのかデズニーシー!!
なんとか平静を装いやりすごすが、
黒ずくめの集団はさぞ怪しまれただろう。
これは急いだ方が良いかもしれぬ。
公道に男女7人黒服物語は非常に違和感がある。
とっとと薮の中へ身を隠したい所。
などと思っていると、
本物のシーにぶち当たった。
そしてここは、
ポイント1のデズニーシーの角、
インディージョーンズの真裏でもある。
さあ、どうするか!!
迫りくる異常なテンション!!!
尿意も迫っていたのでとりあえず立ちション。
さらに海をみて自分に酔う馬鹿達。
が、酔ってもいられない。
海の前の道路は非常に車通りが激しく、
怪しまれる頻度も多いのだ。
そこで、とっとともう一つのポイント豪華客船の検分にかかるため、
海沿いの道を歩く事にした。
が、ちょっと近づいてみてもう遠くから見て
あっきらかに船からいくのは無理だとわかる。
もうゴッテゴテにライトアップされてるのだもの。
芝居をやれってのなら兎も角、
侵入しろというのならあそこは埒外。
という事で、
やはりポイント1の所に戻る事にした。
企業からの侵入は、
リスクがでか過ぎるので却下。
現在深夜ニ時。
我々はデズニーシーの角に立っていた。
まず、自分が角の辺りを偵察に。
ここはいい。
侵入するならここが最も入りやすいだろう。
いや、もうここしか選択の余地がない。
ここなら他よりなんぼかマシ、
といった程度だが。
ここはフェンスの目の前が道路でなく、
ミッキー面の花壇なのだ。
しかもこの花壇隆起しているため、
フェンスの所まで行けば外から見えにくい。
とはいえ。
ここを乗り越えたら明らかにクロである。
それまで
「うわあ!映画みてえ!」
とか
「なんかカッコイイっすよ!俺達!」
とか言ってた後輩達も、
心無しか緊張しはじめたようだ。
息を殺し花壇の中へ。
フェンスの手前には木がずらりと植えてあり、
がっちりと固定されている。
まずは先陣をきって自分が木の間をくぐって
フェンスの目前まで到達した。
木を乗り越えたので、
中の様子がはっきりわかった。
フェンスの向こうはすぐ
モノレールの線路となっており、
その向こうにはまたなんとまたフェンス。
その向こうには一段上がって道路があった。
これはまだ道のりは遠そうだ。
っつうかフェンスにはバッチリ「高電圧注意」と書いてあるし、
フェンスの上には赤外線センサーが付いている。
これは難攻不落だ。
が、不安を無理矢理押さえ込み、
とりあえず後ろに合図を送る。
後輩達が木の間から続々と入ってきた。
その時、向こうから光が。
車だ!!
向こうの道路を車が通った!
向こうと言ってもその距離10メートル程であろう。
我々は即座にその場にしゃがみ込んだ。
フェンス越しに暗闇に黒服なので、
見つかる事はまあないだろうと思っていたが、
それでも冷や汗もの。
車が通りすぎたので、
また後ろに合図を送り、
入ってくるように指示。
が、なんと今度は
チャリンコが走ってきた!!
これはヤバい!!
まじでヤバい!!
しかも警備服。
こちらを見ない事を祈り、枚を含んでじっと待つ。
チャリは過ぎて行った。
しかしやはりここからは格段の注意が必要だ。
まだフェンスを越えてないからよいものの、
越えてから見つかっては洒落にならない。
ダッシュで逃げようにもフェンスを越えてしまったら逃げ場がないのだ。
いや、しかしどうやってフェンスを越えよう。
高電圧はやっぱり怖いしなあ。
あれ?!
M城?
君
フェンス掴んでない?!
ここでM城が先程から
なんの考えもなしに
フェンスに触れていた事が判明。
願ってもない実験台である。
電流はおそらく
奥のモノレールの事かはったりであろう
と推測したので、
死角であろうセンサーの真裏からフェンスを越える事に。
が、先ほどから何台も車が通っている。
鉄条網に引っ掛かって車に見つかって終わりってのは最悪だ。
気をつけねば。
俺はフェンスに手をかけ勢いをつけて登りはじめた。
その刹那M田君の声。
「あぶない!!」
見ると車が。
即座に飛び下り身を埋める。
あぶねえ、助かった。
ナイスM田。
再び誰もいない事を確認し、
フェンスを一気に登る。
幸い鉄条網は幅が広く、
間をくぐる事が出来そうだ。
センサーも静まっている。
よし!
俺は一気に鉄条網をくぐり、
敷地内へ飛び下りた!!
即モノレールをくぐり、
もう一つのフェンスの目の前まで進行、
ここなら一段上がっているので段にへばりついていればみつからない筈。
とはいえ目の前数十cmの所を
車が通る事は間違いないのだが。
俺が無事到達したのを確認するとみな一気にフェンスを越えて中へ。
ついに、全員が
シーの敷地内に潜入したのだ。
これで、一応企画的には成功したと言える。
とはいえ、ここからだ。
ここからが本番なのだ。
まずは目前の第二のフェンスを越えなければ。
が、これはかなり厳しそうだ。
フェンス自体は第一のフェンス程ではないのだが、
越えた先が車が通る道路なのがマズイ。
降り立った瞬間に車が来てしまったら、
終了〜!!
それと、こっちのほうが難問なのだが、
フェンスを越えた後どこに行けば良いかわからない。
さて、どうすべきか。
とりあえず留まっていても危険が増すだけなので、
道路沿いに1人で偵察して見る事に。
皆を待機させ、
そろそろと右の方に道路沿いに移動。
すると、道路が直線になる。
おお、これなら車が来ても遠くから確認出来る。
問題は反対だ。
左側は、カーブになっていて見通しが悪い。
が、この直線を利用しないテはないので侵入するならここだろう。
そこまで確認すると、俺は皆の所に帰還した。
今度はM城が再び右側に偵察に。
左側はおそらくすぐ駐車場に突き当たるであろう。
行く必要はなしと判断。
さて、問題はフェンスを越えてどこに行くかだ。
道路の向こうはすぐに山になっている。
山といっても草が生えただけの裸山で、
道路からは見え見え。
幸いその向こうは森になっているようなので、
そこまで駆け込めばひとまず安全は確保出来そうだった。
しかしもの凄いリスクだ。
絶対に車が来ない事を確認して行かなければ無理であろう。
そこで、後輩の中井貴1にミキプルーンの調達を
、、、、いやいや見張りをお願いして、
残りは道路直線ポイントに移動した。
車が来れば彼から電話がある筈。
とりあえず、M城に先遣部隊として行ってもらう。
車が来ない事を確認し、
フェンスを乗り越え、
山に飛び込む宮城。
彼は山の奥に消えた。
しばらくして宮城から連絡。
「(超小声)もしもし」
「もしもし」
「どうなってる?先は」
「えっと、先は、木が結構生えてて、いけそうです」
「よし」
「で、ですね、のぶさんの目の前に園内灯立ってますよね」
「うん」
「その横に三角コーンが沢山捨ててあるじゃないですか」
「おうおう、赤いやつね」
「はい、で、そのコーンと明かりの間を抜けてきて下さい」
「了解」
「あ、それと、木を固定するワイヤーが張り巡らされてて、結構危ないんで気をつけてください。では。」
電話は切れた。
とりあえず行き先は確保出来た様だ。
問題はこの大人数を見つからずに移動出来るか、
である。
やはりスピード勝負しかないという結論に達したので、
二人ひと組でフェンスを越えさせる。
4人が無事越えた所(この際、ゆっけ靴破壊。)
で中井貴1に連絡
車が来ていない事を確認し、
二人でフェンスを越えた。
そしてダッシュで山へ!!!
必死に山を駆け上がる!!
もう無我夢中である。
うわ!
ぬかるみだ!!
無視!!!!
後ろを振り向くと、
さっきまで潜んでいた所がもう小さくなっていた。
やった!!
やったんだ!!!
鉄壁の警備網を
くぐり抜けたぞ!!!
大興奮だが、まだ喜ぶには早い。
先に進んでいるM城に電話。
全員越えた事を伝え、宮城と合流する。
山の反対側の斜面は、木がうっそうと生い茂る森だった。
ここなら身を潜めるなら絶好である。
我々はワイヤーに気をつけながら森を下っていき、
ついに森を抜けた。
そこには、、、。
目の前には巨大な川が流れ、
右前方には水が漏れているダム、
目の前にはライトアップされた
巨大な火山が。
侵入チーム
デズニーシー園内に到達!!
おそらくすこしずれて、
インディーとストームライダーの真ん中程に
行き着いたようだ。
とはいえ間違いなくここは
デズニーシーだ!!
全員大大大興奮!!
いやあ、ついにここまで来た。
現在深夜3時。
時間的にはベストなタイミングである。
しばらく感慨に浸った後
当座の目標インディーに向かって進行した。
ほふく前進で草地を前進し、
森をくぐり、なるべく人目につかないよう進軍する。
と、ここで先に進んでいた宮城から連絡。
どうやら、この先はインディーの連絡口になっており、
少々危険のようだ。
とりあえず宮城を帰還させ、
皆で車座になる。
M城が口を開いた。
M城「あの。」
俺「ん?」
M城「朝までここにいて、
遊んで帰りません?」
全員「!!!!!!!」
言うまでもなく、初の試みである。
確かに、ここから引き返すのはリスクがでか過ぎる。
それに、確かシーは出る時パスポートを
提示しなくても出られた記憶がある。
これはかなりスリリングかつ安全策なのではなかろうか?
夜中に忍び込みスリルを堪能し、
さらに無料で本来の遊園地を満喫!
これでこそ完全にシーを制したと言えるのではないだろうか?
全員即賛同。
皆明日の予定をバンバンキャンセルしだす。
よし、ではさっきの森に戻ろう。
ここは通用口が近いので危険だ。
みな士気も高く引き返す。
もう矢でも鉄砲でももってこいである。
燃えるような熱気が皆を包んでいた。
時刻は現在3時半である。
おそらく開演は9時頃であろう。
五時間半もある。
選択肢は一つである。
「寝る」しかない。
みなあるものはかがみこんだまま、
あるものは横になり、
目を閉じた。
が。
無理。
寝れないのだ。
まず、こんな緊迫した状況で眠れるわけがない。
先ほどから緊張の連続だし、
今も死地にいることにかわりはない。
たとえ森とはいえ、
いつ人が来るかわからない。
ダッシュで逃げれば確実に逃げ切れる距離を四方とはとっているが、
眠ったまま発見されてはアウトである。
そして、なによりこれが第一の理由なのだが、
寒い。
寒過ぎる。
とても眠れる環境ではない。
体がガタガタ震える。
一応このような状況は想定してかなり厚着で臨んだのだが、
それでも寒い。
ホントこんな状況で寝られるわけ、、、、。
ふと見ると、
ぐっすりおやすみの
後輩のジーパン。
いったいどんな神経なんだ?
この薄着で。
現在4時半。
さっきからずっと暴走族がシーの周りを駆けずり回っている。
うるさい。
パトカーの音もする。
怖い。
寒い。
寒い。
寒い。寒い。
寒い。寒い。
寒い。寒い。
寒い。寒い。
5時。
変な音がずっとする。
何かを叩くような音だ。
すぐa$/!#
おそらく園内の掃除か何かだろう。
もし森の中に入ってきたら。
ジーパンが動かないので触って生きてるか確かめる。
現在5時半。
寒い。寒い。
寒い。寒い。
寒い。寒い。
寒い。寒い。
寒い。寒い。寒い。寒い。
寒い。寒い。
寒い。寒い。
寒い。寒い。寒い。寒い。
寒い。寒い。
寒い。寒い。
寒い。
ああ、人肌が恋しい。
そう思いふと見ると
ジーパンとM田君が抱き合って寝ていた。
男同士かよ。
寒い。
横になっていると
下が土なのでどんどん体が湿ってくる。
冷たい。
心が折れそうだ。
もう電車がある。
が、引き返すのはリスクがでか過ぎる。
そんな事を考えている内にだんだん明るくなって来た。
助かった!
が、あかるくなるにつれもう一つの心配が。
空がヤバい。
いつ降り出してもおかしくない。
この状況で雨に降られたら本当に死人がでかねない。
現にジーパンはさっきからぴくりともしないので
一時間おきに触って生きてるか確かめてるような
状態なのだ。
まさに天に祈るしかない。
朝6時。
突然、園内の全ての音響が一斉にかかりはじめる。
ジャングルの音、機械の音や音楽等。
かなりびっくりした。
船や車も頻繁に移動しだす。
偵察に行く宮城。
朝七時。
M城からメール。
「すぐ下に人がいます!!静かに!!」
言われなくても誰も
口もきけないくらいに疲弊していた。
寒い。寒い。寒い。寒い。寒い。寒い。寒い。寒い。寒い。寒い。寒い。寒い。寒い。寒い。寒い。寒い。寒い。寒い。寒い。寒い。寒い。
空腹でないのと、雨が降らないのが救いだ。
朝八時。
あれ?
人がいっぱいいる。
走ってるぞ?
もしかして!!!!
朝八時開園なのか?
ボロボロになっていたメンバーに
一気に元気がみなぎった。
さあ、あとはそ知らぬ顔で客にまぎれれば良い。
まずは先程偵察して地理を把握しているM城に向かってもらう。
この
「1人すすんで道を切り開き、
携帯で連絡をとり安全性を確保して皆で進軍」
という方法はかなりよい。
お試しあれ(ためさねえか)。
M城が無事通路に到達し、
その後連絡を取り合い全員園内へ!!!
全員抱き合って大喜び。
普通の客から見たら異様だっただろう。
黒服で泥まみれの7人組が、
アトラクションもなんにもない
ところで胴揚げせんばかりの
狂喜乱舞なのだから。
途中つらかっただけに
歓びもひとしおでした。
はい、これがディズニーシー侵入記の顛末です。
え?
この後?
もちろんアトラクションバンバン乗って飯食っておみやげ買って帰りましたよ。
痛快でした。
園外に出た際
もう一回狂喜乱舞しましたね。
今回の侵入は超大成功といえるでしょう。
さあ!
次はユニバーサルスタジオジャパンだ!!
大阪スペシャルじゃあ!!!