2008年7月31日 18時16分更新
記録的な原油価格の高騰で航空機の燃料価格が上昇している状況を受け、日本航空と全日空が関西空港と国内外を結ぶ路線の一部について、運休や減便の方針を打ち出したことを受けて、大阪府の橋下知事は、きょう、東京の航空会社の本社を訪れ運休や減便の方針を見直すよう要請しました。
また、橋下知事は、府として関西空港の活性化のため国が設置・管理している大阪空港の廃止も含め検討していく考えを示しました。
きのう、上京した橋下知事は、きょうは午前中、自民・公明の与党の国会議員で作る関西空港推進議員連盟総会に出席し、「今年度の府の予算を、あれだけ削る中でも、関空の予算分は確保した。
関空の発展は、大阪・関西の光と発展につながるもので、府民の思いを踏みにじらないでほしい」と述べ、府として関空便の運休や減便は受け入れがたいという考えを示しました。
また、一緒に出席した、関西空港会社の村山敦社長も「国際線と国内線を結ぶ拠点空港としての機能を著しく損なうもので、航空各社には撤回を求めていく」と述べ、関空便の維持に向けた協力を要請しました。このあと、橋下知事は、全日空の本社を訪れ、山元社長と面会しました。
全日空は、大阪府に対し、ことし11月以降、グアム線など2路線を運休するほか、羽田線など3つの路線の便数を減らす考えを伝えています。
これについて山元社長は「ご迷惑をかけるが、今回は緊急避難的な措置だ」と理解を求めたのに対し、橋下知事は「予算を散々切ってきた私が言うのも何だが、路線は是非残してほしい。関空は関西の産業政策も担っているので、公共交通機関の柱として配慮をお願いしたい」と述べ運休や減便の方針を見直すよう要請しました。
一方、仙台線やロンドン線など6つの路線を運休し、3つの路線の便数を減らす方針を伝えた日本航空の本社には、大阪府の小河副知事が出向き、計画の見直しを求めました。
一連の要請を終えた橋下知事は、記者団に対し、「原油高が解消されたとしても関西に3つの空港が競合したままでは、関西の発展にはつながらない。大阪空港の廃止も含め、3空港のあり方について府として抜本的に議論し方向性を打ち出したい」と述べました。
大阪空港は国が設置・管理しており、大阪府の意向だけで廃止はできません。橋下知事の発言は、関西空港の今後のために思い切った対策が必要だという認識を示したものとみられます。