○無職男が無罪主張＝上申書で発覚の保険金殺人−水戸地裁

　元暴力団幹部が上申書で告白した３件の殺人のうち、茨城県阿見町の内装会社社長栗山裕さん＝当時（６７）＝の保険金殺人事件で、殺人、詐欺などの罪に問われた無職三上静男被告（５８）の初公判が３１日、水戸地裁（鈴嶋晋一裁判長）であった。三上被告は「全くそういうことはありません」と述べ起訴事実を否認。弁護側も無罪を主張した。

　検察側は冒頭陳述で、三上被告が別の殺人事件で死刑が確定した元暴力団幹部後藤良次被告（５０）に「金になる仕事がある。酒を飲ませて保険金をだまし取ろう」と保険金殺人を持ち掛け共謀したと指摘。２０００年８月１３日に同県日立市の三上被告宅で、スタンガンで脅して、肝硬変と糖尿病を患っていた栗山さんにウオツカを無理やり飲ませ殺害したとした。

　弁護側は「上申書は自己の死刑判決を先延ばししたい後藤被告のでっち上げ」と反論した。