来日中の中国の胡錦濤国家主席は8日、都内の早稲田大学で講演し、日中関係について「対中円借款がインフラ整備や環境保護、エネルギー開発など中国の近代化建設に積極的な役割を果たしている」と述べ、日本の政府開発援助(ODA)に謝意を表明した。10年前に来日した江沢民国家主席(当時)の講演とは対照的で、日本の貢献を高く評価することで中国国民にも互恵関係の必要性を強く訴えたものだ。
胡主席は「日中は互いの平和的発展を支持し、脅威でなくチャンスとみなし、相手の重大な関心を尊重することが大事だ」と指摘。歴史認識に関しては「日本の軍国主義の侵略戦争が両国の友好関係を破壊した」としつつ、「我々が歴史に銘記することを強調するのは恨みを抱き続けるためではなく、歴史をかがみとして未来に向かうため」と言明した。
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