Wonder ブログ
朝礼担当の一言をつづる・・・最近の話題、Wonderなこと
  
| Weblog | 2008-07-30 18:18:00 |

雑誌、「ハウジングトリビューン」Vol.351によると、この7月7日に、
「超長期住宅先導的モデル事業」の採択結果が発表され、
“200年住宅”としての具体的な取り組みがスタートした・・とありました。
（どういう訳か、我が親会社は選にもれたようですが・・・）

この雑誌の200年住宅の特集記事の中で、
目に付いた点がいくつかあったので、ここで紹介します。
まず一番目。
東京農業大学の進士五十八教授の寄稿から。

「住宅再生ではなく、人間としての２００年住宅を」という題目の中に、
『今の住宅産業に、人間の生物学の原理に基づいた視点がありますか？
その視点が無いから“200年住宅を実現するには
どんな材料が必要だろうか・・・”となってしまう。
200年住宅を考えるうえでも、まずは人間や家族の再生を考えて欲しいですね。』と結んでいます。

二番目。
文化女子大学の高橋正樹准教授のシリーズ「新・住まい学」への寄稿。
「人間と環境の関係性を読み解く観察眼が求められる」から。

『建築については「箱を作って提供すれば誰もが幸せになるという時代ではない」
と認識され始まっている。
「もう少し空間や環境と人間の関係性を考えた方がいいのではないか」となり、
建築環境心理学という分野がクローズアップされたのです。
現在の日本の建築業界には人間と環境の関係性を紐解く観察眼が
不足しているのではないかと感じます。
こうした観察眼を養うことが、結果として住宅の“住みここち”向上に
つながっていくのではないでしょうか。』とあります。

これに関連して、「住宅とは何か、家族の歴史とは何か」が理解できる
“映像”がありますので紹介します。

一つ目は、お隣中国の映画、「胡同（フートン）のひまわり」です。
まさに今、オリンピックに沸く中国北京では、表通りの人目につくところは
近代的な“コンクリートの箱”が林立していますが、この高層ビルの隙間から
裏を覗くと,古い歴史のある街や住居が取り壊されて瓦礫の山になっていました。
（昨年実際に見てきました。）
その古い街、住居群のひとつに「胡同（フートン）」があります。
このフートン出身の監督が作った映画で、１９７０年前後の中国の
「暮らしぶり」、「住まい」、「家族」といったことが良く表現された
佳作映画です。

もう1つはNHK番組、「探検ロマン世界遺産」の映像です。
2007年6月、中国では35ヶ所目となる世界遺産の指定を受けたばかりの
広東州・開平の「ちょう（石へんに周と書く）楼群」、日本的に表現すると
「望楼群」の特集映像です。
こちらは私個人がDVD録画をしており、いつでもお貸し出来ますので、
ご連絡ください。
この番組を見ると、やはり「家族の歴史」とは何か、
「100年以上経つ住まいとは何か」、「受け継ぐ、繋ぐとは何か」
が良く表現されています。

この2本の映像を見るだけでも、先に書いた先生方の
「住まいとは何か」の問いに対しての答えがそこにあると思います。

かりにも“住まい”に係わっている仕事をしているのであれば、
“思考の視点”を変えて深める意味でも、もう一度、生物的な原点に返って、
思いを巡らす必要があるのではないでしょうか。
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