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ページ更新時間:2008年07月30日(水) 18時54分

高3男子自殺裁判、請求棄却で母親は

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 「二男が自殺したのは、教師にカンニングを疑われ執拗に追及されたからだ」。4年前の高校3年の男子生徒の自殺を巡って母親が損害賠償を求めていた裁判に判決です。さいたま地裁が下した結論に、母親は怒りを露わにしました。
 井田紀子さん。4年前、最愛の息子を亡くしました。

 「『どういう結果になるか分からないけれど見守っていてね』っていうことで報告しましたけれども」(井田紀子さん)

 井田さんは今も、将紀君から届いた最後のメールを大事にとっています。

 「『ごめんね』なんて謝ることでも何でもないのに、(メールを)消すことはありませんが、なかなか見られないです」(井田紀子さん)

 正紀君は4年前の5月、県立所沢高校の中間テストでカンニングを疑われました。物理の試験中に消しゴムに巻いた日本史のメモを見ていたためでした。

 「カンニングはしていない」。そう主張しましたが、教師5人からおよそ2時間にわたって事情を聞かれました。そして、夕方、母・紀子さんにメールを送信後、飛び降り自殺しました。

 紀子さんは、将紀君の死が教師の執拗な追及で精神的に追い詰められたためとして、県を相手に8000万円の損害賠償を求める裁判を起こしました。

 「追い詰めたものがあったんですよね。やはりそれが何だかってことがちゃんとはっきりさせたいな、と思っています」(井田紀子さん)

 裁判所の判決は、「原告の訴えを棄却する」でした。理由としてさいたま地裁は、「教師による事実確認は、適切・慎重に行われたもので、違法だと言うことはできない」と指摘しました。

 「やっぱり子供が結果、死んだ指導っていうのは、正しいとは言えないと思っております」(井田紀子さん〔判決後の会見〕)
 (30日18:10)

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