天下の名園、岡山市の後楽園が数々の明かりで浮かび上がった。初日の二十九日は点灯式が行われ、一斉に照らしだされると「わあーきれい、すごい」と感嘆の声が上がっていた。
恒例となった夜間特別開園「幻想庭園」の開幕だ。何回か訪れているが、昼とは全く異なる後楽園の表情に出合うことができる。夜の魅力は、工夫された照明がつくる光と影によって美しい景観が深みを増していることだ。
明かりは、ろうそくや発光ダイオードなどの組み合わせで演出されている。後楽園は特徴とされる広い芝生のほか、大きな池やうっそうとした森が巧みに配置され、回遊しながら楽しめる。それぞれの景色に合わせた照明が心憎い。
多彩な催しも予定される。園内の特設舞台を中心にジャズやアカペラ、郷土芸能などだ。庭園ビアガーデンもある。暑苦しい夜、自然の風を感じながら名園でひとときを過ごすのはこのうえないぜいたくであろう。
八月に入れば、二日と三日の二日間、岡山市内で繰り広げられるうらじゃおどりなどおかやま桃太郎まつりが待っている。二日の夜は納涼花火大会があり、三日夜はうらじゃ総おどりで最高潮となる。いまからにぎわいが目に浮かぶ。
幻想庭園の幽玄さと、花火や踊りの熱気と。わくわくする岡山の夏である。