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最終更新:2008年7月30日(水) 19時37分

教員免許更新制度、その講習とは?

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 猥褻事件から教員汚職まで、教育者の引き起こす事件があとを絶ちません。こんな中で文部科学省は、教員免許を10年に1回更新する制度を導入することを決めました。その免許更新のための講習が30日までの3日間、試験的に行われました。

 真剣な表情で木登りをする大人たち。実は、免許更新のための講習を受けている学校の先生たちです。中にはベテラン先生もいます。

 来年度から始まる教員免許更新制度。導入のきっかけは、問題のある教員を見つけ出すことでした。10年に1回、30時間の講習を受けないと教員免許は失効となります。

 この「木登り」もそうした講習の1つ。もちろん、文部科学省が認定した「ツリークライミング」の実習なのだとか・・・。1時間目の木登りが終わると、次は「火起こし体験」と「ソーラークッキング」の講習です。

 参加しているのは32歳から54歳、全国の小学校から高校までの45人の先生たちです。しかしこの講習、学校の授業とは一見、関係ない物ばかり。汗をかきながら悪戦苦闘です。昼食は自分たちで作ったおにぎりやゆで卵です。これらの講習、子供たちの豊かな心を育む上で、まずは先生自身が体験することが大事、と選ばれたものなのです。

 「木登り」「火おこし」以外にも、「三葉虫のスケッチ」「百人一首」「オペラ」と、ユニークな講習ばかりです。

 「普段やらないことが多くて、自分自身も戸惑いながら、楽しみながらやっています」と、若手教師を中心に楽しんでいる様子ですが・・・。

 「非常に負担で、実際のところ私も部活を持っているけれども、夏休みの部活ができないです。講習にとられちゃって」(中学校の英語教師〔50代〕)

 「現場で、例えば講習でやったことが役に立つかというと、どれだけフィードバックできるかというのはちょっと疑問な点がありますね」(高校教師〔50代〕)

 講習を受けるための費用や会場までの交通費も自己負担。先生たちの負担が大きいのも現実です。また、修了認定について明確な基準はないため、合否をどのように判定するかも曖昧なのです。

 「よくいえば試行錯誤中。体験学習みたいな、面白おかしいで終わっちゃう訳でしょ。すごく重要な免許の更新というのにふさわしい中身なのか問われると思います」(教育評論家・尾木直樹氏)

 文科省は更新制について、「教員としての資質が保たれるよう、最新の知識を身につけるためのもの」としていますが、はたしてこの制度、本当に意味のあるものになるでしょうか。(30日16:03)



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