奈良放送局

2008年7月30日 18時56分更新

地域医療 来場者アンケート


深刻な医師不足で休診に追い込まれる医療機関が相次ぐなか、地域医療の問題に対する県民の意識を調査するアンケートが、30日、奈良市で行われました。

アンケートは、県民に医師不足の現状を知ってもらい地域の医療態勢のあり方を考えてもらおうと、奈良県が開いたシンポジウムの中で行われました。

会場のなら100年会館には、県内からおよそ1000人が集まり、医師不足対策を検討する奈良県の協議会の委員で、城西大学の伊関友伸准教授が、地域の病院から医師が立ち去るのはなぜかというテーマで講演をしながら、会場に質問を投げかけました。

来場者は、配られた赤と白の紙を使って質問に答え、「先進国の中で日本は何番目に医師が少ないか」という質問では、「下から10番目」と「下から4番目」という2つの選択肢に対して、会場の意見がまっぷたつに割れ、日本が30か国中4番目に医師が少ない現状が県民にはあまり知られていないことが浮き彫りとなりました。

講演ではほかにも、症状が重くないのに深夜に病院に駆け込む、いわゆる「コンビニ診療」の現状なども紹介され、伊関准教授は住民が医師を大切にして、地域医療の充実のためにできることを実行する姿勢が求められていると訴えました。

参加した70代の男性は「これほど医師が足りないとは知らなかった。住民がもっと関心を持って、できることをしていかなければならないと感じた」と話していました。

伊関准教授は「奈良県の医療の現状について県民はまだ良く知らないし関心も薄いように感じた。地域医療に関心を持ってもらうためにいろいろな形で情報提供していきたい」と話していました。