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社説

安心プラン 絵に描いた餅では困る(7月30日)

 いまさら何を、という思いがする。

 政府が発表した社会保障に関する緊急対策「五つの安心プラン」のことだ。

 医療など五分野にわたって百六十項目の政策を並べた。

 それだけ、今の日本ではセーフティーネット(安全網)が機能していないということだが、それを放置してきたのは、国自身である。

 しかも、列挙したメニューには、既存の政策の焼き直しが目立つ。総花的なうえ、課題解決に向けた具体性もあまり感じられない。

 もともとプランは、社会保障に対する国民の不信感をぬぐうためとして、福田康夫首相が先月下旬に策定を表明した。一カ月の期間しかなかったのだから、新味が少ないのも当たり前かもしれない。

 しかし、策定した以上、実現してもらわねばならない。絵に描いた餅(もち)では困るのだ。

 「五つの安心」とは高齢者政策、医療体制強化、子育て支援、非正規雇用対策、厚生労働行政の信頼回復のことだ。

 いずれも対策が急務と、かねて指摘されてきた。

 高齢化で言えば、昨年、全人口に占める六十五歳以上の人口が21・5%に達した。二〇五五年には二・五人に一人が六十五歳以上になる見通しだ。高齢者の雇用確保、年金制度の改善もさっぱり進んでいない。

 少子化に関しても、一人の女性が生涯に産む子供の数に当たる合計特殊出生率は一・三四にまで落ち込んでいる。女性が働きながら子どもを育てることへの社会的支援の不足が背景にある。

 プランには、幼稚園と保育園の機能を併せ持つ認定こども園の普及促進策として、交付金の創設を盛り込んだ。だが、具体策は「検討する」との表現にとどまった。

 医療をめぐっては、産科医や小児科医などの不足、救急医療体制の不備が顕著だ。プランはこうした課題の改善をうたうが、そのための具体的な仕組み作りが見当たらない。

 最大の問題は、課題解決に必要となる膨大な財源をどう確保するかということだ。政府は大半を来年度予算で対応すると言うが、一方で社会保障費抑制策が続いている。

 プランで検討するとした基礎年金の「最低補償額」導入にも、一兆円の財源が必要との試算がある。果たして可能なのか。

 これでは、どこまで政府は本気で実行に移すのかと、疑問に思う人も多いのではないか。

 社会保障は国民にとって関心の高い分野だ。プランがかけ声倒れに終われば、政府に対する信頼感はますます低下するだけだろう。

 
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