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■新市立病院建設地に不満続出
2008.07.31
気仙沼
漏れた候補地の関係者ら
「地域の声聞かず」/
 新しい市立病院の建設を予定している気仙沼市は三十日、候補地としていた地区の関係者らを対象とした建設候補地調査結果説明会を市役所で開いた。市は五月、仙台市の建設コンサルタントの調査結果を受け、候補地六カ所のうち赤岩杉ノ沢地区に新病院を建設することを決定。各候補地の関係者に理解を求めたが、参加者からは市の対応などに対する不満が聞かれた。

 鈴木昇市長はあいさつで、調査結果を踏まえて遠藤渉市立病院長と協議しながら結論を出したことを説明。「国道45号バイパスに近く、広い面積が確保でき、災害時の拠点病院としての機能を果たせることなどから赤岩杉ノ沢地区が妥当と判断した」と強調した。
 調査結果の報告では、建設コンサルの担当者が各候補地の土地造成の規模や概算事業費などから分析、評価した結果を説明した。

 質疑では、建設地に漏れた地区から不満の声が続出した。笹が陣地区を推す関係者は「地域の声を聞いてから説明会を開くべきだ。客観的なデータに反映されていない個別の事情もある」と市の対応を批判した。

 現在の病院がある田中地区からは「商店街が衰退すればまちだけでなく、市全体の元気がなくなってしまう。跡地の利用方法も示していない。病院が中心部から離れれば、国が示すコンパクトシティー構想にも反する」と訴えた。

 市は「同じ条件で候補地を比較しないと、説得力ある説明は難しい。より良い病院にするために今後も対応していきたい」と、あらためて理解を求めた。
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