大分県の教員採用汚職事件を受けて文部科学省が実施した教員採用試験に関する全国調査で、県教委は「過去20年間の採用担当者に聞き取り調査した結果、不正選考は確認されなかった」と同省に回答した。
県教委によると、過去20年間の人事班職員を中心に、担当課長の一部も含め計19人に聞き取り調査を実施したが、(1)口利き(2)金品のやり取り(3)合格者の事前連絡--などの不正は確認されなかった。また教育委員が過去5年間の選考資料を点検し、点数の水増しなどの不正もなかったことを確認したという。
文科省には改善策も示し、今年度から(1)教育委員に選考基準、経過、結果を説明(2)複数の教育委員で採点結果と選考資料を突き合わせて点検(3)試験成績表、面接の判定書、答案などの保存期間延長の検討--を実施。来年度には1次試験の解答例、配点、成績の公表を検討するとしている。【宮下正己】
〔佐世保版〕
毎日新聞 2008年7月30日 地方版