外食大手のすかいらーく(東京都武蔵野市)が飲料大手のサントリー(大阪市)に出資を要請していることが、30日明らかになった。外食不振で業績が悪化し、財務体質を改善するのが狙い。一方、すかいらーくの主要株主の投資会社など2社は、経営悪化を理由に創業家出身の横川竟(きわむ)社長に退任を要求しており、現経営陣と株主の対立が鮮明になっている。
同社は、06年に野村プリンシパル・ファイナンス(出資比率61.5%)と英投資ファンドのCVCキャピタルパートナーズ(同35.6%)に横川社長ら経営陣が出資して、MBO(経営陣による自社買収)を実施。経営改善を急ぐため、株式を非上場にし、早ければ09年の再上場を目指していた。
すかいらーくは、店舗の業態転換などを急いでいるが、07年12月期まで2期連続の最終赤字となるなど不振が続いている。2社は、今月23日開催の臨時取締役会で横川社長の退任を要求。8月12日に臨時株主総会を開き、社長を解任する意向で、取引銀行に説明している。
一方で、横川社長側は、外食事業との相乗効果が見込めるサントリーに、自らの続投を条件に支援を要請。要請額などは明らかになっていないが、資本増強後に不採算店舗の閉鎖を加速し、業績の改善を図る意向。サントリーサイドも前向きに検討しているという。【田畑悦郎、望月麻紀】
毎日新聞 2008年7月30日 15時00分(最終更新 7月30日 15時00分)