サンパウロ──ブラジル・リオデジャネイロの沖合で7月上旬に見つかった遺体が、今年4月に1000個もの風船で空を飛ぶ記録に挑戦していた神父だと確認したと、捜査当局が29日に発表した。
アデリール・アントニオ・デ・カルリ神父(41)は4月20日、教会の活動資金を集めるため、ブラジル南部サンタカタリーナ州沿岸のパラナグアの港から、ヘリウムガスで膨らませた風船で飛び立った。
予定では約750キロ離れた町ドラードスに向かうはずだったが、風のために目指していた方向からそれ、出発から約8時間後に地上との連絡が途絶えた。
神父はGPSと衛星電話のほか、救命胴衣を着用して数日分の飲料水と食料を持っていたため、生存の可能性があるとして大規模な捜索を開始。しかし、風船が見つかっただけに終わり、捜索は打ち切られていた。
数カ月がたった7月上旬、沖合で見つかった遺体について、捜査当局は同神父のものである可能性が高いと判断。DNA鑑定を実施し、遺体を神父だと断定した。
遺体が見つかったことで、家族は「きちんと葬儀を出せる」と話している。