「間違った情報が流れた」を削除―長寿医療制度
「長寿医療制度をあらためてご説明します」―。厚生労働省はこのほど、75歳以上を対象にした後期高齢者医療制度(長寿医療制度)に関する説明を同省のホームページに掲載した。7月初旬に公表した同制度のQ&Aでは、同制度に対する批判などが出た原因として、「PRが不十分だった」「間違った情報が流れた」の2点を挙げていたが、これを「PRが不十分だった等」に改めた。
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厚労省は「PRが不十分だったこと等もあり、高齢者の方々をはじめとして、不安と混乱が生じてしまいました」との表現に改めながらも、「新しい長寿医療制度をしっかりと実施していきたいと考えています」としている。
前回公表したQ&Aで、「間違った情報が流れた」を挙げた理由について、厚労省の担当者は「同制度への批判が高まった4月から5月にかけて各種の報道を精査したところ、国民の不安をあおるような過激な報道もあった。事実と異なっている報道もあったので、抗議の電話をしたこともある」と話している。
一方、削除した理由については、「誤報があったことも事実だが、省内から『同制度をめぐる今回の混乱の原因をマスコミに転嫁する表現になっている』との意見があったので、国民に対して真摯(しんし)に対応する意味で削除した」と説明している。
同制度をめぐっては、7月から凍結されている「終末期相談支援料」が当初、国会やマスコミなどの批判を浴びたという経緯がある。同支援料は、回復の見込みがない75歳以上の高齢者の終末期の診療方針について、医師や看護師らのチームが高齢者の患者と話し合い、その内容を文書などにまとめた場合に2000円の診療報酬が医療機関に支払われる仕組みだが、「延命治療の中止を促進する制度」との批判があった。
この批判に使われたのが、全日本病院協会(全日病)の「終末期医療の指針(案)」の書式2−1(終末期医療における希望事項)。
それによると、「人工呼吸器」や「蘇生術」などの7項目について、「希望する」「希望しない」のいずれかを選択するようになっている。この書式と同支援料とを関連付けて批判するテレビ番組もあったことなどから、厚労省は「間違った情報が流れた」との考えを示していた。
全日病の西澤寛俊会長も、5月21日の中央社会保険医療協議会の総会で、「当協会の意図と全く違った使われ方をされて非常に当惑している」と述べている。
7月28日に厚労省が公表した説明の詳細は、厚労省のホームページで。
http://www.mhlw.go.jp/seisaku/07.html
更新:2008/07/30 15:13 キャリアブレイン
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