今月中旬に北京で開かれた北朝鮮核問題をめぐる6カ国協議首席代表会合で、北朝鮮が核施設無能力化に続く「第3段階」の措置に関連し、現在の状況では核兵器などの廃棄は不可能とし、目標を寧辺の核施設廃棄に限るべきだと主張していたことが29日、分かった。
同協議の韓国首席代表、金塾外交通商省平和交渉本部長がソウル市内での講演で明らかにした。
北朝鮮を除く5カ国は「第3段階」は核兵器の海外搬出などによる完全核放棄に向けた最終段階との認識。しかし、金氏によると、北朝鮮は核廃棄に先立ち「もう1、2段階が必要」との立場で、核施設廃棄への見返り措置も要求したという。
核放棄への過程を細切れにすることで経済支援などを最大限引き出す狙いも北朝鮮側にあるとみられる。
また、金本部長は、首席代表会合では北朝鮮の「非協力的な姿勢」のため、核計画申告の検証履行計画の細部について話を進められなかったと指摘。非核化作業部会の早期開催が必要だとした上で「(議長国)中国が日程を提示する時期にきている」との見通しを示した。(ソウル共同)
毎日新聞 2008年7月30日 0時06分