上伊那広域連合は29日、産婦人科医不足で里帰り出産の受け入れが課題になっている上伊那地方で、里帰り出産を希望して帰郷していた女性が27日、県立木曽病院(木曽町)で出産したことを明らかにした。8月にも同様の事例で1件の出産予定があるという。医療機関の連携強化により地域の産科医療維持を目指す同広域連合は「有望な選択肢になる」(保健福祉課)と話している。
上伊那地方では、年間約500件の出産を扱ってきた昭和伊南病院(駒ケ根市)が、医師不足のため今年4月から出産の扱いを休止。このため、上伊那地方で産科医療の拠点となっている伊那中央病院(伊那市)が、里帰り出産の受け入れを原則断った上で、出産の扱いをこれまでの年間1000件から1200件に増やした。
同地方では年間約300件とみられる里帰り出産への対応が課題。広域連合と伊那保健所は4月、権兵衛トンネルの開通で交通の便が良くなった木曽病院に、上伊那地方からの出産受け入れを要請していた。