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(9/20)固有家畜に存続の危機・毎月1種が絶滅と警告

 鹿児島県の口之島牛や長野県などの木曽馬のような地域固有の家畜品種が、環境破壊や経済のグローバル化によって世界各国で減少、ほぼ1カ月に1種という急激なペースで絶滅しているとの報告書を国連食糧農業機関(FAO)がまとめた。

 これを受け、日本などFAO加盟の約110カ国は21日までに、世界の家畜遺伝資源保全のため、初の行動計画を採択。国際協力で各国の在来家畜の保全に取り組むことを決めた。

 FAOは「地域固有の在来種の絶滅は、これらを基にした品種改良によって地球温暖化などの環境変化や感染症に強い種を育てる上で大きな障害になる」と各国に早急な対応を求めている。

 在来家畜の危機は日本国内でも深刻で、政府は今後、保全対策の実施や国際協力態勢の強化を迫られることになる。

 FAOによると、世界各国には確認されただけで7600品種を超える牛や馬、豚、家禽などが存在していたが、既に牛だけで200品種以上、全体では680品種以上が絶滅。日本でも東北地方の南部馬や三春駒などの在来馬は純血が途絶えたとされる。

 1999年末から2006年1月の間に限っても、絶滅品種は62に達し、100―数百頭に減少して絶滅の危機にある品種も約1490になっていることが分かった。

 在来家畜の絶滅は欧米などの先進国周辺で目立つが、近年はアジアの発展途上国などでも深刻。逆にホルスタイン種の乳牛など、限られた家畜品種が急激に増えている。

 行動計画は、各国政府が在来家畜保護のための計画を策定し、品種目録の作成や生息地での保護を進めるとしている。また、国際協力の推進や先進国の技術、資金援助の拡大なども盛り込んだ。〔共同〕

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