2008年7月29日 18時56分更新
江戸時代の岡山藩の藩主、池田家の文化財のデータベースをつくる作業が市内の美術館で進められ、これまでの作業によって工芸品がつくられた年代が特定しやすくなったとして研究成果が発表されました。
岡山市の林原美術館は、池田家に残された衣装や絵画など合わせておよそ1万点を所蔵していて、8年前からそれぞれの文化財について年代や種類などの28項目の情報を記したデータベースをつくっています。
29日、岡山市で行われた記者会見で、林原美術館の担当者は、これまでに衣装に関するデータベースができあがったことを明らかにしたうえで、このうち、49点についてはどの時代につくられたかはっきりと特定できたとしています。
林原美術館によりますと、年代が特定される衣装が数多くあることによって、つくられた年代がわからないほかの衣装についても形や模様などの特徴を見れば年代が推定できるようになるということです。
古い時代の衣装の専門家で作業に協力した共立女子大学の長崎巌教授は「池田家の文化財はほぼそのままの形で残った全国でもまれな例で、文字の証拠が無く年代がわかりにくい工芸品の研究に非常に役立つ」と話しています。