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2008.07.29 22:53 |  診療  |  こどもの精神科  |  NINA  | 推薦数 : 0

撤退あるのみ?

今診させていただいてる,ある思春期ケース。
(くどいようですが,またプライバシーポリシー適用中です。)

紹介してくださった前医では,ひとりの医師がまず本人と,続いて母親と時間差で並行面接をしておられたよう。

そんな事情で私の初診のときから今までどおりの並行面接を希望されたので,初回だけ母子同席で診察させていただいて,その後はご希望どおり私も並行面接を試みていました。

ですが。

どうもうまく進まないのです。

今の状態で不満はない,このままでいい,と話す娘。
診察室では「本人にプレッシャーをかけたくない」と話されながらも,自宅ではことばでも言外でも本人に「あなたにはこうあってほしいんだけど」という理想像を伝え続けている母親。

これじゃどこまでいっても平行線の予感…。
こうして私自身が見事なまでの膠着状態を作り上げてしまったので,思い切って仕切り直しさせていただくことにしました。

「大変申し訳ないのですが」と母子同席面接を提案させていただくと,両者から意外にすんなりO.K.がいただけてひと安心。

そして,診察終了時にはおふたりとも治療の方向性にそれぞれ納得はしていただけたようでした。
並行面接で膠着してしまっていた部分も自分なりに少しはほぐせたかな?

方針を途中で変更したりして信頼を失ってしまったかな? という不安もあるけれど,うまくいっていないことを自覚しながらそれを見て見ぬふりで進み続けるのはもっと怖いことだと思って,思い切って方向転換させていただきました。

「勇気ある撤退」(苦笑)として吉と出てくれたらいいのですが。

治療をうまく進められているか常に意識しながら,これからも気を抜かずに診察を続けていこうと思います。

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なかのひと

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