2008.07.29 Web posted at:  20:50  JST Updated - AP
USA

自宅での「医療事故」増加、処方せん薬の増加と関連か?

シカゴ(AP) 米国の自宅で、薬の飲み間違いなどによる事故死が20年前と比べて大きく増加していることが明らかになった。調査結果を28日に発表した研究者は、病院で受け取った薬ではなく、処方せんにより購入した薬を自宅で誤って組み合わせたり、酒類と一緒に飲んだりして、事故につながっている可能性を指摘している。

カリフォルニア州サンディエゴ校のデイビッド・P・フィリップス教授らは、約5000万人分の死亡診断書をくまなく調査。その結果、自宅での「医療事故」による死者数は1983年の1132人から、2004年に1万2426人に増加していた。

この間の人口増加率を計算に入れた場合、700%の増加となるという。

死亡率は約20年間で、人口10万人当たり0.04%から同1.29%まで急増していた。年齢的には40─50歳代のベビーブーマー世代の割合が最も高かった。

病院など自宅以外における薬に関する死亡事故は5%増にとどまっていることから、フィリップス教授は処方せんで購入した薬を自宅で服用する際に、勝手に市販薬を組み合わせたり、アルコール類と一緒に飲むことにより事故が増えていると指摘している。

また、アリゾナ大学薬学部のJ・ライル・ブートマン教授は、今回の調査には加わっていないものの、処方せん薬を他人に渡してしまうことも事故を誘発する原因ではないかと指摘。最近の調査では、23%の人が他人へ自分の処方せん薬を渡しており、27%が他人からもらったと回答しているという。

フィリップス教授は「医療従事者が投薬した後、注意出来る範囲が狭まる中で、患者の責任が大きくなっている」と述べ、薬を飲む際には十分に気をつけるよう呼び掛けている。

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