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働く女性のリアルリポート

女性が働くと、子供が増える!?
オランダのパートタイム社会に、未来の働き方のヒントが

 今、「女性」の労働力に大きな注目が集まっている。

 ご存じの通り、団塊世代の定年に伴う大量退職、少子化と、日本は急激な労働人口の減少時代を迎え、企業にとっても労働力確保が急務。定年延長、外国人の採用と様々な対策は考えられているが、国内に活用できていない労働力がある。それが女性なのだ。

 2008年版の『男女共同参画白書』によると、日本の労働力人口に占める女性の割合は41.4%。労働力人口比率(以下、労働力率※)は、女性48.5%、男性73.1%だ。中でも、既婚女性の労働力率は低く、30代後半の水準は1975年のものに近い数値だという。
 
 結婚や出産を機に、7割の女性が仕事を辞めてしまうという日本。この女性たちに働き続けてもらう。…このインパクトは少なくないわけだ。
(※)15歳以上の人口に占める労働力人口の割合

 しかし有効な対策はあるのだろうか? 世界の例を見てみよう。高齢化、少子化に伴う労働力減少は日本に限ったものではなく、先進国の多くは同じ課題に頭を抱えている。特に、イタリア、スペインといった南欧諸国は、女性が家事や育児を主に担い、働き続けることを諦める人も少なくない。日本と状況が似ており、同じ悩みを持っていると言われる国々が、解決策として今注目している場所がある。

 それが「オランダ」だ。

女性の7割が就業する国、オランダ

 ドイツ、ベルギーに隣接するオランダ。以前は、日本同様に“女性は家庭、男性は仕事”という性別役割分担意識が強く、結婚・出産後に仕事を辞める女性がほとんどだった。しかし現在は、女性の70%近くが就業する(欧州の平均59%より高い)。女性を労働市場に呼び込んだことが、結果として出生率の低下を防ぎ、経済成長も成し遂げる原動力となった。

 2008年の出生率予測は1.66(日本1.34/2007年、米国 2.10/2006年、イタリア1.34/2005年、スウェーデン1.77/2005年)。経済成長率は3.5%(2007年。日本の2007年度経済成長率は実質1.6%)だ。

オランダ

オランダの人口は1600万人程度、面積は日本の九州とほぼ同じ。公用語はオランダ語だ(写真:西堀 綾子、以下同)

 では、女性をどうやって労働市場に呼び込んだのか? オランダの最大の特徴。それはパートタイム社会ということ。実は、オランダ女性の75%が、週34時間以下で働くパートタイム社員で、週5日働くフルタイムの女性は少数派だ。

 とはいえオランダのパートタイムは、日本とは状況がずいぶん異なる。オランダは「同一労働、同一賃金」社会。パートタイムは「非正規雇用」という位置づけではない。全員が「正社員」で、待遇や時間当たりの賃金は、正社員と同等だ。

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日経WOMAN

woman 「日経WOMAN」は、30歳前後の働く女性のための仕事・生活情報誌です。「仕事を楽しむ・暮らしを楽しむ」をキャッチフレーズに、オンとオフをバランスよく調和させる現代の女性たちに役立つ情報を提供します。

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