沖縄県議会、新基地反対決議
去った選挙で野党が多数になった沖縄県議会。
名護市への新基地建設問題についても、大きな動きが出てきた。
下記は、地元紙の昨日(16日)夕刊の記事。
県議会野党、「辺野古」反対で決議案
琉球新報・2008年7月16日新基地反対決議を提出/県議会野党会派
沖縄タイムス・2008年7月16日
沖縄県民の世論調査の結果に表出する民意と、行政や政治の意思決定のあり方の大きな乖離が少し縮まる。歓迎すべき動きである。
(代替施設と呼称され続けている「新基地」が、新聞の見出しにきっぱり「新基地」と刻まれたことは私にとっては小さな爽快感さえあった。)
これで、新基地建設が即断念されるということはない。しかし、県議会多数が反対する中で、政府と歩調をあわせながら沖縄県が新しい基地建設を進めていくことには、大いなる困難が生じる。仲井間県政がどのような行政運営、対政府交渉、対議会交渉を行なっていくのか注目される。
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98年から8年間の稲嶺県知事、岸本名護市長という沖縄側の対政府交渉のスタンスと、現在の仲井間県知事、島袋名護市長のスタンスは明らかに違う。
稲嶺県知事は大田革新県政を引き摺っていたし、沖縄を主張し条件付で政府と交渉するというレトリックを持たざる得なかった。元々一坪反戦地主でもあった岸本名護市長も然りである。
軍民共用や使用期限や様々な条件はクリアできず、振興予算だけが垂れ流されていく。
業を煮やした政府・防衛省(守屋次官)は、再編交付金や様々な制度をつくりあげ沖縄の交渉カードを封じ込め、今日の状況をつくりあげた。
そのプロセスで稲嶺・岸本からバトンタッチされた現在の仲井間・島袋は、交渉カードなど持たせてもらえず裸で立っている沖縄である。
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県議会の新基地反対決議で、仲井間・島袋はどうなるだろう。交渉カードも、交渉する内容もまともに持っていないのに、あるかのようにみせるブラフ(沖合移転がその最たる物だ)をやり続けるのだろうか。
県議会は県民の民意を受けて「新基地建設反対」を決議する。数百メートル移動したからといって「新基地建設」であることに変わりはない。このようなブラフは永遠通用しないし、交渉カードなどそのブラフ以外に持っていないことは、もはや自明のことになっている。自分らが丸裸にされていることに気づかず、ごまかし続けきれると思っている姿は哀れでさえある。
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いかなる事態になろうと、県議会は自ら歩み出した一歩をひくことなく、せめてこれからの四年間を戦うべき。その間に、名護市長選挙、県知事選挙がある。野党陣営は体勢を立て直して、沖縄の主張を明確にした争点を打ちたて、かかる選挙に全力で臨むべきだろう。
日米両政府に対して、沖縄が自らを主張し実現しうる機会はそう多くはない。新基地建設は1945年の沖縄戦からずっと続いている米軍占領を、未来永劫続けるという日米両政府の意思である。それを明確に拒否することなく、いかなる事態の改善もありえない。
次の名護市長選挙、沖縄県知事選挙は、そう多くはない機会の、統治システムの中における最後の機会になるかもしれない。次の首長が自公の傀儡であれば、新基地建設着工をはじめることになる。
(そうなったとしても、もちろん個々人や集団の「反対」の抵抗と働きかけは続くが…)
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明後日には政府と沖縄県知事たちによる「協議会」が開催されるらしい。政府と県が、どのような嘘を演じるかに着目しよう。
(了)
管理人様、はじめまして。
現在、沖縄の大学に在籍しているものです。
今日は、こちらからトラックバックをたどって参りました。
http://azuryblue.blog72.fc2.com/blog-entry-485.html#comment4792
それで、管理人様は、こちらで
http://d.hatena.ne.jp/nagonagu/20080724#1216898305
「女の敵は女」でいいのですか。>さめさん
と、返答を求めていらっしゃるようですが、このことは何か意味のあることなのでしょうか。(あちらではコメントができないので、こちらにコメントしております。)
私は、大浦湾のアオサンゴを守るために尽力されているさめさんを応援しております。管理人様は、大浦湾のアオサンゴについてどのようにお考えですか。
ちなみに私は女ですが、問題にされている「濃いミルク」という表現にはやはり嫌悪感を感じます。しかし、そのことに無頓着な同性がいたとしても、別に恥じることではないと思います。特に「海洋生物」専門だとそういうこともあるのではないかとも思うのですよ。それにさめさんの返答、「デートの誘い」には、その言葉の持ついやらしさを薄める以外に、悪意や差別のようなものがあるとは考えがたいのですが。みなさん、本当にそういう意図があるようにお受け取りになるのでしょうか。
繰り返しになりますが、私はさめさんの活動を心強く思っているものです。そのことは、ここでの新基地建設の是非とも深く関わってくる問題だと思うのですが、いかがでしょうか。
投稿 沖縄の珊瑚を守りたい | 2008年7月27日 (日) 12:38
管理人様、付け加えておきます。
私たちにとって「さめさんの敵は、沖縄の海の敵」だということになります。その旨、ご了承ください。
投稿 沖縄の珊瑚を守りたい | 2008年7月27日 (日) 12:57
「沖縄の珊瑚を守りたい」さん
最初のコメントにある、「さめさんへの問い」は、私の問いではありません。さめさんのセカンドレイプに近い発言を捉えての女性からの問いです。もとの日記の記述をよく読んでください。
私はさめさんがリアルで行なっている活動を知っていますし、有意義な活動だと認識しています。であるからといって、ネット上でのセクハラ発言は相殺され無視されていいとは思いません。
彼女のリアルでの活動と、ネット上の個人としての発言はわけて考えられるべきことです。
ですから、沖縄の諸問題について発信することを主としている「なごなぐ雑記」では、その話題について一切触れていません。
あなたが感情的になって、
>私たちにとって「さめさんの敵は、沖縄の海の敵」だということになります。その旨、ご了承ください。<
と発言することは、あなたの勝手ですが、それはさめさんの活動の足を大いに引っ張ることになるものだと思いますし、私はそのことに加担する気はありません。
騒ぎをいたずらに大きくすることがあなたの目的なら別ですが、さめさんの活動のことを大切になさるなら、あまり「環境」の問題にリンクさせずに、できるだけ速やかに終息することを考えるべきではないでしょうか。
(このコメントと、あなたの上記二つのコメントは、様々な悪影響も考慮し削除することも考えましたが、事実を隠すことは、事態の改善に何一つなるわけはないと思いなおし、そのままにしておきます。)
投稿 康博 | 2008年7月27日 (日) 13:34
しかし現実的に北部振興予算を使って行政を動かして来た北部市町村には新たな予算確保の為に基地再編交付金に頼らざるを得ないので基地建設に反対出来ない。
仲井間県知事も財政的なしがらみで政府案には反対出来ない。
結果的に沖縄県議会の反対決議を無視して政府案が強行されるのを防ぐ事は不可能です。
原理原則、理想論で反対するだけでは時間の浪費で普天間基地の危険性除去を遅らせる事にしかなりません。
この様なジレンマを解決するには発想の転換で辺野古にはSACO合意のヘリ部隊運用に限定した基地を自然環境に配慮した方法での建設を受け入れざるを得ません。
同時に基地に頼らない北部振興(特に二見以北と東村)の観点からの北部東高規格道路の実現で国頭村東海岸の県道70号線をヤンバルクイナ等の特別保護区として交通制限を可能とし大宜味村から名護市の国道58号線への交通量を迂回させる事で北部全体の発展に寄与できる実効性有る手段を政府に要求すべきだと私は考えます。
投稿 大城 勲 | 2008年7月27日 (日) 13:50
大城さん、コメントをありがとう。
>政府案が強行されるのを防ぐ事は不可能
10年余も、強行されるのを回避してきました。
反対派と呼ばれる方々の現地での活動や様々な抵抗がありましたが、沖縄側行政ですら強行に積極的に参加できずに消極的参加の形態をとらざる得ませんでした。
それらがどうなっていくか、沖縄にとっては歴史の変わり目です。もう少し、慎重に状況をみてから判断してもいいと私は思っています。
>普天間基地の危険性除去を遅らせる
県民の反対の意思が政治的にも大きく結実するとき、日米両政府は普天間問題を放置するかも知れないという危惧を私も捨てきれません。しかし、普天間問題は、米軍にとっても(メアはわざと強引に危険ではないと豪語しますが)大きな懸念、基地維持・運用上のアキレスであることは間違いないでしょう。
>SACO合意のヘリ部隊運用に限定した基地を
ここまで事態が捩れ、拡大した基地になってしまったのはなぜかを冷静に省みながら、おっしゃることも選択肢から排除しない方向で検討する必要はあるかもしれません。
しかし、沖縄側からする具体的な提案や、政治的な意味での妥協や決断を考える際には、沖縄の基地の歴史を考慮しないわけにいかないでしょう。
米軍基地問題の根っこのところにコツコツ当たりながら、大胆な主張をすることが、いまの沖縄には求められていると思います。
おそらく、日本国の戦後のありかたそのものを問うぐらいの力技の主張を。それがなされない中での、具体的対案というのは、どうしても自発的隷属の謗りを免れないと私は考えます。
投稿 康博 | 2008年7月27日 (日) 14:24