2008年07月29日

WAVEというもの(訃報)/追記2

[WAVE]とは元々、10人前後で構成される、
自由にTRPG(テーブルトーク・ロール・プレイング・ゲーム)を
作ったり遊んだりするサークル的な、学友繋がりの集まりでした。

コンベンション(TRPGの公募的な集まり)を開催したこともありましたが、
それほど大きいものでは無論ありませんでした。

現在WAVEにいるRio、杉壱、私(Morrigan)も無論、
この時代のWAVEに所属しており、当時は頭が悪くなるくらいTRPGをやりました。
TRPG以外も同じくらいやったので、実際かなり頭も悪くなりましたが。

#そのTRPGの集大成がCD[Caldes]だったりするのですが、
 それはまた別のお話です。



さて、タイトルをご覧頂ければお分かりになります通り、
この文章では訃報をお伝えしなければなりません。

最近ブログの更新が、以前はサボっていた私(Morrigan)ばかりで、
いつもやっていたRioでないことに、違和感を覚えた方もいらしたでしょう。

彼、Rioが先日、急死し、29年の人生を終えました。


現在製作中の[Songs.]ライナーノーツから以下に抜粋いたしまして、
皆様に[Songs.]をお伝え致します。


Morrigan:
さて、これは何を書いたものでしょうか。
何も書いてやらない、というのもなかなかに一興、とも思ったのですが……
沢山書こうと思えばいくらでも書けますし、
短く済ませようと思えば一言で事足ります。
が、それはあくまでも私が彼に伝えるならば、であって、
皆様への説明にはなりません。

このCDの企画は、WAVEというサークルによって行われています。
って、当たり前過ぎて呆けてしまいそうですが、多分箱にも書いてあるでしょうし……
そして、このCDの企画は[Rio]という人間が立ち上げ、ブラッシュアップしています。
そして、このCDの企画者は、今、この世界に存在しません。

WAVEのサイトなどで既にご存じの方もいらっしゃるかも知れませんけれど、
この[Rio]がこのCDの製作期間中に逝去し、その29年の人生を終えました。
WAVEというサークルは元々、10人前後でTRPGを制作する集まりで、
[Rio]、現在もWAVEの絵を担当する杉壱、私、の3名現行メンバーの他にも、
何名かの人間が所属していました。
WAVEのCDで何度か名前が登場していて、このCDでもグラフィック廻りを
担当してくれているOtogiもその一人ですし、他メンバーもしょっちゅう
CDのスペシャルサンクスにその名を連ねています。
実はコミックマーケットでWAVEで売り子を手伝ってくれていたりもします。

その意味で、この曲は[Rio]への決して届かぬ思いを綴った楽曲であると同時に、
彼を愛する全ての方々への感謝を、彼に代わって綴った楽曲であるとも言えます。

また、[Rio]は今までのWAVE作品の全てに関わっています。
いつも聞いて下さっている方々、今回初めて手に取って下さった方々、
WAVEを気に入って下さっている方々、WAVEが気に入らない方々、
その全てが、『愛の裏返しは無関心』の言葉を信ずるなら、
WAVEに興味を持って下さったということであり、
やはり深い感謝を捧げたく思います。

私個人の、彼への気持ちについても書きたい所ですが、
彼の分析によるところ、私はツンデレらしいので、
死ぬまでツンデレを貫いてやろうかと思っています。
それに、それは誰にも見せず、棺に入れました。

そして今回、この曲だけスタッフリストがバグったみたいな量になってます。
『バグった』とかいう言い回しが8bit時代を思い出させますが、
そんなことは置いておくとしまして……
ある意味で、絶対に落とせなくなる置きみやげをもらった感じですが、
[Rio]が去ったのは、実はかなりコミックマーケット締切直前だったりします。
そしてマスターアップ直前ということは、スケジュール変更は致命的であり、
変更するにしても、もう本当に2日後に何々をする、とか3日後までに何々とか。

であるにもかかわらず、今回、事情を説明して皆様にお声をかけたところ、
ほぼ全ての方々からご快諾を頂き、このような素晴らしい皆様の思いを、
記録することが出来ました。
彼が持つであろうこの世への未練も、吹き飛ばしてしまうような力強さです。

#メイン歌については、自分も参加しているので、
 そこはあんまり褒めたくありませんけれども(笑)
#最後のコーラス大合唱部分についての言及です。えぇ。
 あと私以外の歌い手様、演奏者様方です。えぇ。ホントに。

この曲には生まれた経緯がありますので、それも簡単に説明を……
と、コーラス依頼の際に、皆様に読んで頂いたテキストから抜粋します。


まず、とある歌があります。
この歌、というか曲は、私が彼に依頼されて…とも違いますね。
いつも一緒に、なにがしかを制作しているよう、普段通りでした。

彼が作品の沿革、企画概要を制作し、皆の意見を採り入れて完成に向かいます。
この曲もそうでした。

今夏、我々はCD作品として、『感謝』をテーマとしたアルバムを制作中であり、
それぞれの収録トラックが、それぞれ、自分たちが活動するにあたり
関わってきた誰か、何か、への感謝を込めた楽曲となっています。

※彼にとっては創作活動こそが生きる源泉であったものと考えます。

そしてその曲は、彼が
『感謝したい対象があって、自分が作詞をやるから、曲を先に作ってくれ』
と言ってきたので作ったものです。

残念ながら、その作詞は完成しませんでした。
もしくは完成していたとしても私に渡していなかったか、ですが、
私は彼の個人的事情をかなり把握しています。
この曲の特殊性を考えると、作詞は完了しなかったのでしょう。

※この『特殊性』については、伏せさせてください。
 いつか、皆さんにお話しする機会もあるかも知れませんが、
 今はまだ、その時ではありません。

曲だけが宙ぶらりんになりました。

CDのコンセプトは感謝です。
曲のコンセプトは、『彼が感謝したかった対象』です。

既にお分かりの方もいらっしゃるかと思いますけれども、
私はこの楽曲を、彼に捧げる曲、もしくは彼への感謝をする曲、
とすることにし、発見後、諸々の聴取などが終わって、
帰宅してすぐに作詞をしました。
すぐと言っても、各所への連絡や色々なことで、実際に取りかかったのは、
日付が変わってからでしたが……それは些末事としまして、
作詞はあっという間に終わりました。
表したい文字列と文字数が、自分で作っておいたメロディとはいえ、
どんどんぴったりとはまっていく感覚は、作詞をし始めて初めて味わう感覚でした。
私の感情についてなど、書いてもあまり意味はないのですが、
書かずにはおれません。
泣きながら作詞をしたのも、無論初めてでした。


皆さんにお願いしたいのは、この楽曲への参加です。

(略)

彼はお祭り好きでした。
お祭り好きの子供がそのまま大きくなったせいで、
大人の真似だけは上手くなっていましたが、中身は変わっていませんでした。

きっと、弔事の場でこんなことを発表したら、怒り出すかも知れません。
私のエゴでも何でもいいのです。

しかしご遺族の方々も彼をよく理解していらっしゃるのでしょう。
今回葬儀は密葬という形でしたが、自分を含む何名かのみ、
最後の荼毘に付す際の参加を許されました。
そして服装は喪服ではなく、普段着推奨だったのです。
彼は喪服に囲まれて逝きたくはないだろう、と。

弔事の場でこんなことを発表したら怒るクセに、
自分ではそういうことをします。彼は。
そして、もう怒ってはもらえないわけなんですけれど。


彼は、彼の生業は、前述の通り創作、なかでも企画が中心でした。
それはつまり、物事の種そのものを作ったり、種を埋めたり、
はたまた生えてゆく植物(作品)に水をやるような仕事です。

作品が完成して花を咲かせたところこそは確かに、
企画者にとって非常に心躍る瞬間なことでしょう。

ですが、種は、たまに勝手に育ちます。種類にもよるでしょうが。

彼は直前まで、企画を作っていました。
種を作っていました。まいていました。
その一つがこれです。


もう居ない彼の作品は他にもまだまだ続くのです。



全然全く100億%、『簡単な説明』ではありませんでしたね。
……えーと……

また、収録スタジオである"Jeo"様からも、
あり得ないスケジュール・録音ブース変更を申し出て頂くことにより、
大人数での収録が容易になりました。
この場をお借りして改めて御礼申し上げます。

この曲の歌詞には『ありがとう』という言葉が登場しません。
ツンデレですし、私だけの言葉には含めましたが。
さ、そろそろ長すぎて微妙です。

最後になりましたが少し蛇足を。
歌ってくださった方々も、少し追加がありますので一応読んでみてください。


p.s.
少し蛇足を。
事実のみを記しますが、私はオカルトは信じたり信じなかったりするものの、
割と科学と数学の信者です。
かの発明王エジソンが死んだ時、知り合いの時計が一斉に止まったという
真実かどうか分からない話があります。
それに類するような話も沢山あります。
眉唾だと思っていました。

が、彼が旅立ったと思われる時間帯、私の家の時計が停止しました。
こういうことがあると、何事をも関連づけて考えてしまいがちです……

私が毎日行く和食屋さん(時に信じられないくらい値引きしてもらっています……)
があって、彼ともよく一緒に行きましたし、私が毎日行くことを知っていました。
発見した次の日にも、(店員さんにもご報告したかったので)行きました。

店を出たとき子供が親に呼ばれて、走って私の前を横切りました。
子供の名前は りお でした。

一応、下らないと思われる方もいるでしょうけれど、ご報告まで。

そして後日談に、これを読んだ他のコーラス収録者様からも報告を受けました。
その方も[Rio]と親交深くしていたのですが…
そこの時計も、止まったとのことです。電池を替えた直後なのにもかかわらず。
うちで止まった時計が、私が大好きなsuicaのキャラクターペンギンの景品です。
その方の家で止まった時計も、全く同じものでした……



うーん、引用の中に引用があったりして、
なかなかにカオスな長文となりましたが、以上の通りです。

突然のことで、企画内容に変更はありましたが、
今回に関しては、間に合わずに出せないことこそ、
最も避けるべきものと考えて動きました。

修羅場度としてはかつてないものになっていますけれども、
Aboutページにあります通りの...

 ・『やりたいことをやる』
 ・『創りたいもの・自らが欲しいものを創る』
 ・『創るからには本気で創る』

に、全く以て則っているものと考えます。



また、今後のWAVEがどうなるか、についても考えなければなりません。
前回書きました通り、活動をやめるとか、そういうことは
考えておりません。

ただ、サイト管理などの関係上、



[Feline Groove]とある程度の統合を図る可能性はあります。
統合、というと語弊がありますね。

基本的に[Feline Groove]は、その全ての所属ユニットに対して、
一切の縛りや干渉をしません為。

また、Rioにはサイト管理を含め、音楽制作以外のほぼ全てを任せていました。
私などはろくにhtmlも書くことが出来ませんし、このブログが置いてあるサーバーも
彼の契約によるものです。
おそらく近く移転することになると思います。

もし、移転情報を書くよりも前にサーバースペースが消されてしまった場合にも、
上記[Feline Groove]のサイトにアクセスして頂ければ、
最新情報をお伝えできるように手配しておきます。



では、今後(ある程度のビジョンはあるとはいえ)WAVEがどのような方向に、
どのような進化を遂げるか分かりませんけれど、
いつも手にとって下さっている方々に、改めまして深く深く、感謝致します。





> 14時
> Rioさんのご冥福を心からお祈り申し上げます。
> 16時
> ご冥福をお祈りします。Rioさんのこと忘れません。今まで本当にありがとう。

ありがとうございます。
本人でもご遺族でもありませんが、改めて御礼申し上げます。


> 15時
> 訃報で宣伝文句のような収録の有様をかくあなたの人格を疑います。
> 亡くなった方への行動としては正しいと思いますが、
> 宣伝のようにその有様を綴るのは極めて不快でした。

はい。ご自由に解釈なさってください。
収録の有様、などとおっしゃっている時点で、文章を
正確に理解なされていらっしゃらないようですし。

また宣伝、とのことですが、金銭的な意味でもかぎ取られたのですか?
この楽曲は元々、web上で無料配布する予定です。

申し訳有りませんが不快なのは私の方です。
貴方は何ですか?
彼とどんな関係ですか?
そして、彼と私との関係を、どこまでご存じの上で、その意見をお持ちですか?

貴方ももしかしたら大事な人を失ったことがあるでしょう。
ですから、『この気持ちが分かるか』などと陳腐な問いかけはしません。

この無記名の意見が可能な場で、彼が亡くなった理由も知らず
こういった投稿をなさることが貴方にとっての正義なのですね。

珍しく感情的になりましたが。
亡くなった方への行動としては正しい、って、
仰有っていることが既に矛盾しておりますよ。

そのような意見をお持ちでしたら、是非記名、連絡先銘記の上、
どのようなご関係か自負を持ち、発言に責任を持った上で、
ご発言なさって下さい。対応させて頂きます。

本当に全文読まれたんでしょうか……
読んだ、というか、ご理解なされたんでしょうか。行間まで。
途中までだけ読んで、不快であるという感情論と自分自信の正義による勢いに任せ、
ご投稿頂いただけのようにも思います。


この追記部分は、内容の正否は別として、場にそぐわないという観点を頂き、 しばらくしたら消すか、縮小します。 この数日喪主代理、遺品整理、死の予感から次に生きて会えるだろうかという不安の数日、と 脳が正常に機能している実感がない為、確かに自分の判断基準には自信がありません、 というのもありますし……



> 18時
> 今朝読んで以来、未だに実感が湧きませんが・・・・
> ご冥福をお祈りします。文章を読んで、涙が出てきて、
> すごく色々と感じたのですが、それを言葉にしようとすると、
> 陳腐な言葉しか出てきません。
> ・・・・ただひとつ、ありがとう、とだけ言わせてください。
> Rioさんに。それからMORRIGANさんをはじめとするみなさんに。
> それから・・・場違いかもしれませんが、作品を楽しみにしています。


他、関係者以外でも、2ちゃんねる該当掲示板の皆様、

■■■音楽系同人サークルを語るスレ 27曲目■■■
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/doujin/1216462293/

【同人歌姫】 片霧烈火 5曲目
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/asong/1209380690/


暖かいお言葉、本当に本当にありがとうございます。
最近、ふいに涙が止まらなくなり、脳が肉体へのアクセスを拒否します。
聞き及んでいた鬱病の症状とはこのようなものだろうか、
などと無意味に思考します。

確かに、
今、何かやっていないと、締切を自ら埋め尽くすほどに増やさないと、
もしかして私自身が自分を保っていられないという、その為、
自分の為に、この歌を企画したのかも知れません。

ご遺族の方々が、その後の私を心配してくださった理由が、
今になって理解できてきたような気がします。

自分を果たして今、保てているのでしょうか。
通常、こういった場で、2ちゃんねるなどの話題を出すことは、
おそらくタブーですし、色々な意味で良くない面も多いです。
なのにお礼を書かずにおられません。
もう、そんな話題を書いてしまう時点で、
もうやめましょう。

皆様本当にありがとうございました。
CDを落とさないことこそが最大の供養と考え、
しばらくの収録やミックス作業の連打をこれから数日乗り切りたいと
滅茶苦茶なスケジュールを組んでいましたが、

頑張ります。
この歌の収録進行については、私自身、精神的にまともに行える自信がありません為、
オフィシャルサイトでお悔やみを下さった片霧烈火さんにお願いしました。


というか、こういう内容を書くのって、自分の悲しさに酔っているだけなんでしょうか?もはやそれすらも分かりません。
ツンデレ、とか書きましたが、私はただ単純に、どうにも
感情を上手く表現できないらしく、多くの方からお叱りや指摘を受けますから……

前述のweb拍手は、もしかしたらそういった類と同様、真摯に受け止めるべきなのかも知れませんね。
私が出来ることは何なのでしょう。いえ、何も出来ようはずもないのですけれども。
もう、いいですね…