上場企業では広島県内で初めて経営破たんしたキョーエイ産業(広島市安佐南区)。石田淑行社長は十八日、広島市中区で会見し、景気減速を受けた不動産市場の冷え込みを理由に挙げた。同社が家賃保証している賃貸マンションの所有者には不安も広がった。
キョーエイ産業は同日、東京地裁に民事再生法の適用を申請したのを受け、中区の広島商工会議所で会見を開いた。石田社長は目を赤くして「皆さまには長年、ご支援いただいたが、突然このような決定になり、申し訳ない」と頭を下げた。
石田社長が破たんの要因に挙げたのは、昨年六月の改正建築基準法の施行やサブプライムローン問題、資材高騰を受けた急速な不動産市場の冷え込み。「取引先の銀行に融資をお願いしたが、受けてもらえなかった」と、不動産に対する金融機関の融資が厳しくなった実態を指摘した。
安佐南区西原の本社では、ひっきりなしに電話が鳴り、社員が対応に追われた。取引がある不動産関係者らが建物に出入りする姿も。鋼材を納めているという業者も訪れ、心配そうにビルを見つめた。
【写真説明】民事再生法の適用を申請した経緯を説明するキョーエイ産業の石田社長(右)(広島市中区の広島商工会議所)
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