中国産カブトガニ産卵 自然でも繁殖の恐れ
■三河湾の生態系への影響懸念
南知多ビーチランド(愛知県美浜町)で飼育中のカブトガニが、このほど産卵した。
三河湾や伊勢湾では2001年から本来生息していないカブトガニが多数発見されているが、産卵したのは6日に武豊町の武豊火力発電所沖の刺し網に掛かったつがいの雌。これらは輸入業者が南知多町片名漁港で誤って逃がしてしまった中国産カブトガニ約200匹の一部とみられる。今回初めて産卵が確認されたことで自然環境下でも産卵、繁殖している可能性が高まり生態系への影響が懸念される。
同ビーチランドではことし四月から地元漁協などにカブトガニの情報提供を呼び掛けて、本格的調査を開始。その後、5匹のカブトガニを確認、飼育している。産卵したカブトガニは雄と雌がくっついた状態で捕獲されたため産卵間近とみられていた。25日と27日に飼育水槽内で計300個の卵(直径約2―3ミリ)が確認された。
カブトガニは約2億年前から形を変えていない節足動物。「生きた化石」といわれる絶滅危惧(きぐ)種。日本では現在山口県や九州地方に生息。自然環境下では7、8月の大潮時に一度に数1000個の卵を産卵。
【写真説明】上=産卵前に「抱合体勢」という姿勢を取る武豊町沖で捕獲されたカブトガニのつがい。前が雌。下=飼育水槽内で生まれたカブトガニの卵=ともに南知多ビーチランド提供
(2008年7月28日更新)
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