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事件・事故

水位10分で1.3m上昇 神戸・灘の都賀川 

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増水した神戸市灘区の都賀川で流された人を捜索する同市消防局のレスキュー隊員=28日午後3時32分

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 神戸市灘区の都賀川で子どもらが濁流にのみ込まれた事故は、六甲山系を背にした神戸、阪神地域の河川に潜む危険性を示した。急こう配で幅の狭い川に雨水が一度に流れ込み、川遊びなどができるよう整備されていた現場付近の水位は、十分間で一・三四メートルも上昇。避難できる時間が少なく惨事となった。

 都賀川は六甲山系を源流とする六甲川と杣谷(そまたに)川の合流地点から始まり、河口まで約一・八キロ。約五十メートルの高低差を一気に下る。

 兵庫県神戸土木事務所の観測では、現場に近い同市灘区篠原南町の水位は二十八日午後二時四十分に基準点からマイナス三三センチだったが、十分後、一・〇一メートルに上昇した。

 上流の雨量は同時刻までの二十分間で一三ミリにとどまっていたが、県河川整備課は「直接の上流だけでなく、六甲山系に降った雨がじょうごから注がれるように、都賀川に流れ込んだ。さらに、下流域の雨水と合わさったのでは」とみる。

 市内の河川では、今回の現場と同様、川遊びなどができるよう整備されている場所が、六甲山系の南側で十八河川三十五カ所に上るが、以前から雨天時に急に増水する危険性が指摘されていた。地形上の特徴に加え、住宅地が上流域まで広がり、保水力も不足しているためだ。

 同市河川課は「今回のような増水は毎年、市内のどこかの河川で起きる。早めの避難を呼び掛けているが、天候がこれほど急変することはまれだ」と話した。

積乱雲急発達で大雨

 兵庫県内各地を二十八日に襲った大雨は、夏特有の大気の不安定さから急速に発達した積乱雲によってもたらされた。降り始めからすぐに激しい雨となるのが特徴で、神戸海洋気象台は「二十九日も同様の状態が続く」と警戒を呼びかける。

 同気象台は二十八日午後一時五十五分、神戸を含む阪神地域と但馬北部地域に最初の大雨・洪水警報を発令。川で子どもらが流された神戸市では同二時二十分に雨が降り始め、その約三十分後、十分間雨量一五ミリと、この日最も激しい雨を観測した。

 「典型的な夏場のゲリラ的豪雨」(同気象台)となったのは、日本海周辺に停滞した前線周辺の冷たい空気と、南海上の太平洋高気圧から流れてくる暖かく湿った空気が入り交じり、積乱雲が発生したためだ。今月二十六日以降、同様の気象状態が続いており、同気象台は連日、県内各地に大雨・洪水警報、雷注意報などを発令していた。

 七月の兵庫県は南海上の高気圧が張り出した影響で連日、猛暑に見舞われる一方、局地的に一時間に五〇ミリ前後の大雨が降るなど不安定な天候が続いている。

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