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安心プラン:へき地医療を充実 社会保障150項目

 政府は29日、社会保障分野で国が緊急に取り組むべき対策を盛り込んだ「5つの安心プラン」(社会保障の機能強化のための緊急対策)をまとめた。高齢者政策や医療、雇用など5分野で今後1~2年に実行する対策が中心。地域の医師不足対策として、へき地に派遣される医師や、産科医が勤務する医療機関への財政支援を盛り込んだ。【佐藤丈一】

 「安心プラン」は、社会保障全般に対する国民の不信を払しょくするため、福田康夫首相が先月24日、7月中の策定を関係閣僚に指示していた。

 29日午前の閣僚懇談会で報告された内容は、(1)高齢者政策(2)医療(3)子育て支援(4)非正規雇用(5)厚生労働行政の信頼回復--にわたる約150項目で、大半は来年度予算で対応する。概算要求基準(シーリング)の重点化枠などで予算を確保する意向だが、金額には触れていない。

 医療分野では、医師養成数増を明記。労働条件が過酷な勤務医を確保するため、休日・夜間の救急医療を行う医師や産科医、へき地に派遣される医師の収入を増やす。具体的には、病院が医師に手当を支払う際に、実績に応じて税で支給額を上乗せする。救急患者を多く受け入れる病院にも財政支援をする。

 高齢者政策では、65歳以上の高齢者を雇い入れた企業に、雇用保険で支援をする。働く高齢者の年金を減額する現行の在職老齢年金制度の基準を緩和。高齢者の就労を促進し、支え手を増やす。低年金の人の救済策として、税でまかなう最低保障年金を導入できるか否かも検討する。

 子育て支援では、幼稚園と保育所の機能をあわせ持つ「認定こども園」に対し、厚労、文部科学両省の予算を一元化した「こども交付金」を新設する。非正規雇用対策では、所得が低く、インターネットカフェを生活の場とする「ネットカフェ難民」に、生活資金などを貸し付ける就労支援を進める。

 一方、厚労省の組織改革は、厚労行政を点検する有識者会議の設置にとどまった。他の分野でも、各省庁が取り組んできた事業の拡充などが目立つ。

 ◇五つの安心プラン骨子

1高齢者政策

・65歳以上を雇う企業への支援

・在職老齢年金制度の給付減額基準を緩和

2医療

・へき地派遣医師の手当を財政支援

・救急患者を多く受け入れる医療機関への支援

3子育て支援

・「こども交付金」の創設

・自宅で子どもを預かる「保育ママ」の制度化

4非正規雇用対策

・「ネットカフェ難民」への就労・住宅支援

・非正規労働者に対する社会保険の適用を拡大

5厚労省改革

・「厚生労働行政在り方懇談会」(仮称)を厚労省に設置

毎日新聞 2008年7月29日 11時28分(最終更新 7月29日 12時03分)

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