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燃料代補助「少なすぎ」東北の関係者反発

7月29日6時12分配信 河北新報


 農水省が漁船燃料の価格高騰対策で28日示した緊急支援策に、東北の漁業基地からは実効性をいぶかる声が上がった。漁業者が声高に求めてきた燃料代補助が盛り込まれたものの、補助枠は80億円と極めて少額。多くの漁業関係者は「補助はほとんど行き渡らない」と見ている。

 独自に1キロリットル当たり1000円の燃料補助を決めた遠洋マグロ基地・気仙沼市。鈴木昇市長は「条件付きながら補助を決めたことに感謝する」と評した。

 ただ、こうした声は限定的で、ほとんどの漁業者は補助額の少なさに不満を漏らす。

 支援策の総額約745億円のうち200億円は省エネ機器導入への無利子融資に充てられる。イカ釣り船約800隻が所属する青森県小型イカ釣り漁業協議会の森長保副会長は「設備投資できる余裕がある漁業者は少ない。無利子と言っても借金であることに変わりはない。助けにならない」と切り捨てる。

 大間漁協(青森県大間町)の浜端広文組合長も「これだけの予算を付けるなら、1リットル当たり20円でも30円でも援助するのが弱者への政策だ」と憤った。

 「80億円の補助はすずめの涙。ほとんどの漁業者は受け取れない」と怒るのは宮城県漁協の木村稔経営管理委員会長。補助基準額(1キロリットル当たり8万6000円)そのものが既に燃料高騰後の価格である点に触れ「本来なら6万円程度が採算ライン。仮に補助を受けても苦しいことに変わりない」と指摘する。

 今回の支援策には、直接補てんより漁業の体質強化を優先させたい政府の姿勢が色濃くにじむ。木村氏は「原油市場への投機マネー流入など経済失政のつけを、なぜ漁民が払わなくてはならないのか」と、あらためて怒りをあらわにした。

最終更新:7月29日6時12分

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