東播磨
北条鉄道、BDFで走行に成功 ダイヤ導入目指す
試験走行に臨む北条鉄道。ホームには排ガス成分の測定器も用意された=北条町駅(撮影・斎藤雅志) |
二十九日に行われた北条鉄道(本社加西市)のBDF100%による試験走行は、燃費や加速力を測定するため、市民らも乗車。トラブルに備え加西署が警戒し、報道陣も詰め掛るなど大勢が国内初の取り組みを見守った。成功を受け、今後はBDFの安定供給やエンジントラブルの対処法を整え、通常ダイヤでの導入を目指す。
駅員の合図で車両が動き出すと、市民らはストップウオッチで四百メートルの走行に要した時間などを記録。計測の様子や乗り心地をテレビ局のスタッフがカメラの前でリポートした。
走行中、何者かが外部から車両をライトで照らした場面もあったが、大きなトラブルはなく終わった。
軽油、BDFともに一往復に要した量は約十一リットル。上りこう配で速度五十キロを出すのに約一分かかり、燃費や加速力はほぼ同じだった。
通常ダイヤでの導入には一日に二百リットルのBDFが必要だが、現在は回収量が少なく、精製量は平均約七十リットル。また、燃料は軽油が前提のため、エンジンにトラブルが発生してもメーカーの保証がないなど、解決すべき課題は残る。
市は今後、スーパーや公共施設に廃油回収場所を設置し、家庭の廃油を中心に、回収量の増加を目指す。エンジン故障時の対応は、メーカー側に協力を求めていく。(佐藤由里)
(6/30 11:28)