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パブリックコメントへの総務省の回答に対する反論
2008-06-25 / IT
800MHz帯の電波利用についての山田肇氏と私のパブリックコメントに対する総務省の回答が発表された。ちょっと前までは「聞き置く」だけだったのが、個別に答えるようになったのは大きな前進だが、答になっていなくても反論できないのが欠点だ。そこでブログを利用して、インタラクティブにコメントしてみよう。われわれは
総務省は、根本的な1の疑問に答えていない。800MHz帯はマラソン中継専用なのだから、マラソン中継をしない場所では開放できるはずだ。その利用実績を示すよう2で求めたのだが、これに答えていない。しかしテレビ局のコメントには、「ロードレースなどでの移動中継に欠かせないシステムです」(NHK)など、800MHz帯はマラソン用だと正直に書かれている。
そのほか、ラジオマイクに使うなどと書かれているが、そんなものは1MHzもあれば十分だ。貴重なUHF帯に36MHz(時価4700億円)もの帯域を遊ばせているのは、莫大な浪費である。この帯域をオークションにかけるだけでも、地デジに移行するコストはまかなえる。電波利用料の流用ができなくなって、簡易チューナーの配布を生活保護世帯に限るなど、地デジ移行対策に苦しむ総務省にとっては、喉から手が出るほどほしい財源のはずだ。
それなのに、この帯域に手をつけられないのは、テレビ局の嘘を論破できないからだ。このように規制当局よりも規制される企業のほうが情報優位にある場合、当局が企業の情報操作によって彼らの利益を守る結果になる現象をregulatory captureとよぶ。通信業界の場合には、NTTに対して他社が違う情報を出すが、テレビ局は結束して嘘をつくので、見破れない。
おまけにテレビ局は、政治家をコントロールできる。先日、ある改革派といわれる政治家の側近が「地デジには問題があるが、うちの場合はマスコミを味方にして抵抗勢力と戦っているので、テレビ局を敵に回したらおしまいだ」と語っていた。皮肉なことに、世論を頼りにする改革派ほどテレビ局の批判はできないのだ。どこの国でもテレビ局は強力なロビー団体だが、競争のない日本のテレビ局は世界最強である。
追記:百歩ゆずって今のFPUを残すとしても、800MHz帯は「ホワイトスペース」として利用できる。
- 770〜806MHz帯(以下800MHz帯)は主としてテレビ中継のFPUに割り当てられているが、実際にはマラソン中継だけの臨時利用である。したがってマラソン中継の行なわれていない時間・場所ではただちに開放すべきである。
- 総務省は、放送局に800MHz帯を用いたFPU中継の放送実績と今後の放送計画を報告させ、その結果を公表すべきである。
- 移動しながら中継する技術はすでに実用化されており、移動体SNG中継車が各局に配備されている。これを使えばマラソン中継もSNGで可能なので、800MHz帯のFPUへの割り当てはやめるべきである。
移動体SNG 中継車は、ビルや電線等により伝送の途絶が発生し、都市部では移動中の中継利用が困難です。総務省の官僚はテレビ中継をしたことがないから、これはテレビ局に問い合わせたのだろう。私は中継をしたことがあるから、こんな嘘はすぐわかる。マラソン中継はマルチカメラだから、「ビルや電線等により伝送の途絶が発生」する地点では固定カメラに切り替えればいいのだ。実際の中継では、事前にすべての地点を下見して詳細なカメラ割りをした台本をつくるので、こんなことは問題にならない。
一方、800MHz 帯FPU は、SNG やSHF 帯FPU よりも移動中の中継に適しており、マラソン中継に限らず報道中継等にも欠かせない伝送手段となっているものです。これも嘘である。報道中継に800MHz帯を使うことはありえない。東京タワーなどの中継局が見えないと中継ができないので、事前に中継下見をしないと放送できないからだ。報道中継は、地方局でもSNGである(だからSatellite News Gatheringという)。「報道」とか「災害」とか「公共性」という錦の御旗を出せば、どんな無駄使いも許されると思ったら、大きな間違いである。
総務省は、根本的な1の疑問に答えていない。800MHz帯はマラソン中継専用なのだから、マラソン中継をしない場所では開放できるはずだ。その利用実績を示すよう2で求めたのだが、これに答えていない。しかしテレビ局のコメントには、「ロードレースなどでの移動中継に欠かせないシステムです」(NHK)など、800MHz帯はマラソン用だと正直に書かれている。
そのほか、ラジオマイクに使うなどと書かれているが、そんなものは1MHzもあれば十分だ。貴重なUHF帯に36MHz(時価4700億円)もの帯域を遊ばせているのは、莫大な浪費である。この帯域をオークションにかけるだけでも、地デジに移行するコストはまかなえる。電波利用料の流用ができなくなって、簡易チューナーの配布を生活保護世帯に限るなど、地デジ移行対策に苦しむ総務省にとっては、喉から手が出るほどほしい財源のはずだ。
それなのに、この帯域に手をつけられないのは、テレビ局の嘘を論破できないからだ。このように規制当局よりも規制される企業のほうが情報優位にある場合、当局が企業の情報操作によって彼らの利益を守る結果になる現象をregulatory captureとよぶ。通信業界の場合には、NTTに対して他社が違う情報を出すが、テレビ局は結束して嘘をつくので、見破れない。
おまけにテレビ局は、政治家をコントロールできる。先日、ある改革派といわれる政治家の側近が「地デジには問題があるが、うちの場合はマスコミを味方にして抵抗勢力と戦っているので、テレビ局を敵に回したらおしまいだ」と語っていた。皮肉なことに、世論を頼りにする改革派ほどテレビ局の批判はできないのだ。どこの国でもテレビ局は強力なロビー団体だが、競争のない日本のテレビ局は世界最強である。
追記:百歩ゆずって今のFPUを残すとしても、800MHz帯は「ホワイトスペース」として利用できる。
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だいたい昔は、移動中継なんかできないから、固定カメラを沿道にずらりと並べて中継していた。それでも十分です。つまり800MHz帯は、単なる演出上の効果のために、面積×時間で積分すると1億分の1も使われていない用途に、テレビ局の6チャンネル分もの帯域を取っているのです。
だからいつ、どこで使ったかという実績を出してほしい。普段は汎用無線に使って、そのときだけテレビ局に貸し出すことも可能です。またホワイトスペースで広帯域無線が実用化すれば、携帯端末で中継できます。NHKでもそういう研究をしており、これが理想的です。
TBSのウソは常軌を逸してますよね。対外的にも日本政府の信用ゼロです。(外務省って民間のテレビ局より力が弱いの?)オークションもそうですが現在の民放テレビ局は一度解体した方が良いと思います。第2の小泉が必要なのでは?(特にTBSとテレビ朝日など左派新聞系列局がひどい。明らかに意図を感じます)
移動体SNG中継車を載せて運用できる(衛星方向に煙突などの障害物がない)船をチャーターできればいいのでしょうが、琵琶湖(6月7日にNHKが特番で船上から放送してた)あたりでそんな船がチャーターできるとは思えませんし。
なお、ラジオマイクが1MHz幅では全然足りないことはこないだ書いたので繰り返しません。
そんなことはありません。こういう見通しのいい中継では、高い周波数のほうが使いやすいので、最近は高い周波数を使っています。CSで中継できるのに、ヘリで中継できないということはありえない。
ラジオマイク云々は、費用対効果を考えてください。あんなものは2.4GHzで十分。
800MHz帯FPUのメリットは、装置が小型軽量で低消費電力、送信アンテナは手動追尾でも十分だということに尽きます。いまならSNGも小型化されているから、道なき御巣鷹山中にSNG地球局を持ち込む(分割して担ぎ上げる)ことは可能でしょうが、それなりの発電機も必要ですし機動力に欠ける。仮にいま飛行機が山中に落ちたとしても、地上から徒歩で機材を持ち込む限りはヘリスターがもっとも迅速ではないかしらん。
>第2の小泉が必要なのでは?
小泉氏はテレビ局への構造改革にストップをかけた張本人ですよ。
マスコミを見方に付けるコツでしょうかね?
私はマスコミを構造改革してほしかったんですけど、あの手のタイプに期待するのは無駄でした。
>いわゆるヘリスター中継(地上→ヘリ→地上)をやるとき、
中略
>地上から送信する高い周波数のアンテナをヘリに自動追尾するのは難しい。
この場合800MHz帯の方が、電波特性上優れていると思います。
しかし、送信アンテナに円偏波電磁ホーンを使用すれば、難しいことでは
ありません。
>800MHz帯FPUのメリットは、装置が小型軽量で低消費電力、
>送信アンテナは手動追尾でも十分だということに尽きます。
GHz帯の送信機と比較すれば、800MHz帯FPUの方が上記理由で優れています。
しかし、GHz帯送信機でもDC電源をバッテリーで駆動することが可能です。
公共の財産である電波の有効活用とのトレードオフを鑑みれば、
池田様の主張に賛成です。
確かに、電気的特性は似たようなものですね。
>しかし、GHz帯送信機でもDC電源をバッテリーで駆動することが可能です。
一口にGHz帯送信機といっても地上波伝送(FPU)はそうですけど、SNG(テレビジョン伝送を行なう地球局)は消費電力が100Wくらいあるので辛いです。30分(現実には、衛星捕捉に5分とか10分掛かるのでその分が差し引かれる)くらいなら何とかなっても、実用にするには未熟です(ヘリスターまで出す大ニュースの中継がが1回だけでは済むまい)。そのうち電池屋さんが何とかしてくれる範囲だとは思いますがね。
これは「ホワイトスペース」と同じ考え方ですが、それよりはるかに簡単です。
まさに、そのようにして特定ラジオマイク(いわゆるA型)が現在運用されています。マラソン中継だけでなく、緊急の報道所要で800MHz帯FPUを使う際の調整(山中や海上ならあまり問題ないけど)を含みますけど。マラソン(駅伝)コースのそばにある劇場では、テレビ局の中継リハ日には付近でFPUを停波させて普段どおりラジオマイクを使うけど、中継本番では公演時間をずらしたり演出を変えたりしてまで干渉をしのぐとか。
そこまでして使いたいユーザーが、特定ラジオマイク以外にあるかどうかですね。逆に言えば、特定ラジオマイクは、無線局免許(手数料)と電波利用料に加え、そこまでの面倒がありながら他の周波数帯に移れずにいるわけです。2.4GHz帯とかに移れるものならとっくの昔に移っているはず。
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