【シカゴ27日=阿部太郎】「今日はバットボーイが良かったんでね。あのバットボーイできょう勝って、明日どうなるか楽しみですけどね」
福留孝介がいたずらっぽい笑みを浮かべながら、「バットボーイ」を連呼する。実はこの日、カブスの中澤好宏トレーナー(46)がバットボーイを務めたのだ。通常は少年が役割を担っているが、この試合は中澤トレーナーが「あくまで流れを変えるため」に一肌脱いだ。
カブスは後半戦に入って3勝6敗と失速し、福留も6月後半から不振が続く。その間、地区最大のライバルと目されるブルワーズが猛追し、ついに昨日ゲーム差なしで並ばれた。そういった状況になんとか終止符を打とうと、中澤トレーナーも一役買ったのだろう。
その“バットボーイ”効果が出たのか、カブスはこのところ不振だった打線が爆発。序盤に先発ジェーソン・マーキースの乱調で5点ビハインドとなったが、アルフォンソ・ソリアーノの3ランなどで同点に追いつくと、再び1点勝ち越された後の7回にはデレク・リーのソロ、マイク・フォンテットの走者一掃のタイムリーツーベースで逆転に成功。結局、9−6で逆転勝ちを収めた。
福留は1安打。第1打席にクリーンヒットを放ったが、まだまだ「打ち損じが多い」と反省の弁が漏れる。だが、表情自体に暗さはない。理由はやはり、体調的なものが良くなって、徐々にではあるが「(打撃の状態が)良くなってきている」からだろう。
昨日の会見でも、6月下旬に張りを訴えた左足ふくらはぎの状態は「違和感ない」と言い切り、本人は以前よりも動ける範囲が広がったと話している。昨日は「8番」降格の憂き目にあい、この日も「7番」でのスタメンと厳しい状況は続くが、福留自身は今後の巻き返しに自信を持っているのかもしれない。
ところで、翌28日からは宿敵ブルワーズとの4連戦。今季最初の大一番ともいえる。ただ、福留は「特に意識してやる必要はない。意識してやれば、意識した方が硬くなるでしょうし。普段通り自分たちの野球をやれたらいいと思う」と話す。そして、その平常心を貫くのに意外なキーマンを挙げた。
「その辺はバットボーイが盛り上げて、雰囲気をやわらげてくれるんじゃないですか(笑)」
カブスの救世主は、意外なところから出現した。
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